15.Boy_動揺 ページ15
コンビニを出るとウジニヒョンはまだダンススクールのところにいるのか、先程別れた場所にはいなかった。
左手にぶら下げているビニール袋から、炭酸水を取り出してキャップを開く。プシュ、といい音を鳴らして開いたそれは、僕の喉を満足に潤わせた。
ウジニヒョンが前から歩いてくるのが見える。ヒョン、と空いている右手をあげるとヒョンは僕に向かってすごく怪訝そうな顔をした。
それが僕にじゃなくて、僕の後ろにいる人に向けているものだと言うのに気づくのにそう時間はかからなくて。僕は気配を感じて振り向いた。そこには、あの人が立っていた。黒いスキニーパンツに水色の少し大きめのワイシャツ。確かにあの人だった。
ばっちりと目が合う。助けを求めるようにウジニヒョンの方を向くと、ヒョンはいつの間にか僕の隣に来ていて、腕を僕の肩にまわしていた。あの人は僕を見るなり、イ･デフィだと分かったのか、一瞬動揺の表情を見せた。
本当にこれがあの夜の君だとしたなら、笑えてしまうくらい似つかわしい所がない。だってあの夜の君は、冷たく静かな瞳をしていて、僕の心を見透かしたような佇まいだった。そして笑みなんて、1ミリたりとも見せていない。
その人が右肩に下げていた紺色のバックをガサガサと漁って何かを言おうとしていたが、ウジニヒョンが一段低い声でその声を遮った。
｢……何か、用ですか｣
目を丸くして、少し傷ついた表情を浮かべて。
その人はそのまま、出しかけていた何かを再びバックの中に戻した。｢いいえ何でもありません。人違いでした｣そう言って、逃げるように消えていった。
｢人違いだなんて、なんでわかりやすい嘘つくんかな｣
街灯がほんのりと照らす道を通る小さくなる背中を見ながら、ウジニヒョンはそう呟いた。そして俺の方を向いて、何もされなかったか、と心配の声をかけてくる。僕は正直に、何も無かったと告げる。
｢あ目当てのものは買えた？｣
｢うん。ウジニヒョンにも買ってきたよ｣
｢は、俺辛いの無理なんだけど｣
｢辛いやつじゃないよ。ホテルに戻ってからのお楽しみ〜｣
そんな話をしていれば、気がつけばあの人の姿は記憶の中からあっという間に消えていた。
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gumi - ルリアさん» お返事遅くなって申し訳ありません;; 今日は休みだったのでたくさん更新できました^^ はい！頑張ります！ (2019年7月7日 17時) (
レス) id: 0228b74d8d (このIDを非表示/違反報告)
ルリア(プロフ) - うわぁ！たくさん投稿してくれてありがとうございます！どんどん話が進んでって楽しくなっているのでこれからも頑張ってください！ (2019年6月16日 11時) (レス) id: c7ec6efbc7 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - ルリアさん» わぁー！ありがとうございます！嬉しいです！はい！更新頑張るので楽しみに待っていてください^^ (2019年6月16日 3時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ルリア(プロフ) - すごく面白いので、もっと投稿して欲しいです！頑張ってください！ (2019年6月15日 22時) (レス) id: c7ec6efbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gumi | 作成日時：2019年6月15日 16時
