First Light【BOYS PLANET】 (ページ4)

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はじまりページ4

「Aには、他の練習生とチームを組んで出場してもらいたい」

前の事務所からここ、WAKEONEに移籍して早1年。

やっと俺は、新しい道を進むチャンスを掴んだ。

・

『"BOYS PLANET"？』

「そうだ。なんでも、国を問わず世界各国から募集して、最終的に
9人組のボーイズグループを作るんだとか」

世界中から応募を、なんてこれまた大層な企画だ。

しかも国籍どころかグループに所属しているかも問わないなんて。

きっと予想している何倍以上もの人数の応募が殺到するだろうな。

『へぇ...要は、そこに俺も出てほしいって事ですね？』

「話が早くて助かるよ。で、どうしたい？無理強いはしない」

そんなの話を聞いた瞬間から決まってる。

『ぜひ応募させてください』

「Aならそう言うと思ってたよ。
それじゃあもう一度詳細について話そうか」

『お願いします』

そんなやり取りからどのくらい経ったか。

つい先日、向こう側から出演決定の話が来て、今は最初の収録日
についての詳しい話を代表から聞いている。

「...という訳で、最初に実力テストのようなものがある。
そこに向けて、パフォーマンスを準備してもらいたんだが...

Aには、他の練習生とチームを組んで出場してもらいたい」

と、いった感じで今に至る。

『わかりました。それで、俺は誰と組めばいいんでしょうか？』

「レッスンの時間は終わっているし、じきに来るはずだよ」

という会話の直後、タイミング良く鳴るノック音。

社長の「どうぞ入りなさい」という言葉に返事しながら中へと
入ってきたのは3人。

「来てくれてありがとう。詳しい事は彼に説明してあるから、
手短に話をしようか。
ハルト、アントニー、ミン。
3人は今日からAとチームを組んで最初の収録日に向けて準備
を進めてほしい」

『一緒にチームを組ませてもらうAです、よろしく』

ﾊﾙﾄ「......えぇ？！あ、いや。えっと、はい！」

「練習室なら1番奥の所を常に空けるよう伝えてあるから、そこ
を使いなさい。
A、後は頼んだよ」

いや俺に丸投げすんなよ、と思いつつ。

ずっとここにいてもどうしようもないからとりあえず声を掛ける。

『はい。じゃあ行こうか、3人共』

「「「は、はい！！」」」

......本当に何も伝えられずに呼ばれたんだな、少し可哀想だ。