くのたまは忍びたい

第28話 ページ31

「ならばA先輩！僕も勉強教えて頂きたいです！」



『うん、私に出来る事なら』



今度はうるうるお目目をした黒門君がそう頼んできた。思わず頭を撫でてコンマ１秒で了承したよね。
可愛いは正義だ、いいね？



「ぼ、僕も…予習で分からないところがあったので教えて頂きたいです！」



『まかせて』



ちょっと遠慮がちに、浦風君。ええ、教えます。教えますとも！



「じゃあ僕は先輩を落としたいでーっす」



『ん？！』



さっきまでのふわふわな雰囲気から一転。ピシッとした空気が作法委員達と私を包み込む。



あっ、綾部君穴掘り好きだったもんね！！
「落としたい」ってそういう意味か！
ちょっとびっくりしたわ！
というかこの子、本人に面と向かって「穴に落とす」宣言とは強い。歩く時気をつけなきゃ…


「ほう…喜八郎が穴掘り以外の事に興味を持つなんて珍しいな」


「あっ、綾部先輩…？」


「A先輩を落とすってつまりそういう事ですか？！」


え。あの？皆さん何を勘違いされてるんですか？
落とすって穴に落とすって意味ですよね？ええ？
ていうか浦風君顔真っ赤！ピュアか！！可愛いな！


『いやいや、皆さん勘違いして…』


「ご想像にお任せしま〜す」


『綾部ｸﾝ？！？』


なんで誤解を招く言い方するの？小悪魔なの？
許せちゃうからやめて！！
……って、うわぁ


『(すっごい楽しそう)』



綾部君の顔を見るといつもの無表情では無くニコニコ笑顔であった。
全くこの学園は先輩を揶揄う子達が多い！！！
(しかし顔が良いから許してしまう！！)



「さて、A。そろそろ次の委員会の時間だ」



『えっ』



結局、弁解する時間もなく次の委員会へ行かなくてはならなくなった。うわ、立花先輩のニヤニヤした顔。これは確信犯である。後輩をいじって楽しいですか！くっそ！寧ろご褒美だわ！



「次の委員会は＿＿」



＿＿




「包帯は〜♪しっかり巻いてもきつ過ぎず〜♪」




『(ここは楽園？？)』




立花先輩に次の見学は保健委員会だと聞き、医務室に向かうと委員会の皆さんが暖かい笑顔で迎えてくれた。ここが天国。優しい世界。



そもそもここに来るのも2回目だし、前回行った時に自己紹介も済ませてるし何か実家感がすごいなって思ったけど烏滸がましいからこの考えは捨てます。(ノンブレス)







＿＿＿
【作者の心の声】
いや夢主ちゃん色んな子と約束しすぎぃ！
(のちのち全部お話として書く予定です)

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