くのたまは忍びたい

第15話 ページ16

「包帯、巻終わりました！…あの、後藤A先輩…でしたよね？A先輩とお呼びしても…？」


『ｱｯ、ｳﾝ!ｲｲﾖ!』


「(！！！)」


もうこの子に何言われても「ｳﾝ!ｲｲﾖ!」って言ってしまいそうだ可愛い…


「あっ！私も自己紹介させて下さい！猪名寺乱太郎です！よろしくお願いします、A先輩！」


「僕は鶴町伏木蔵です〜。さっきの組手、すっごくスリルでした〜。」


ひえ、可愛い…ニコニコしてる1年生天使…(頭抱え)


「あっ、僕も！…えっと、その…三反田数馬です！僕の事、忘れないでくれると嬉しいです…(ニコッ)」


三反田君は少し寂しげに微笑んだ
え、めちゃ可愛い…無理…あとなんか私と同じ匂いがする…(性格的な意味で)


『うん、(こんなに可愛い)君のことは絶対に忘れ(られ)ないよ。よろしくね、三反田君。』


でもなんかこの子前見覚えがあるような…？
え、待って忘れないとかほざきながら記憶曖昧じゃねーか！先が思いやられるわ！


「…ｯｯｯ!!(やっぱりこの優しい声は…！)えっと、その…僕少し前に、町からの帰り道で山賊に襲われて…その時に先輩に助けて貰ったと思うんですけど…覚えてたり、しませんか…？」


…んんんん？？！？やっぱり彼とは会ったことあるのか！！！うえええ、あんなカッコつけて言ったくせに覚えてないとか言えないどうしようあばばばばば


『…あの時か』


知ったかぶるしかねぇ！！！！！(大声)


「やっぱり！！あの時は本当にありがとうございました！！！」


『ｳﾝ…まぁ困った時はお互い様だよネ…(目逸らし)』


「(僕の事覚えててくれたんだ！！)A先輩にまた会えて嬉しいです！これからもよろしくお願いしますね！」


ああ、良心が痛む…


『ｳﾝ、ｺﾁﾗｺｿ、ﾖﾛｼｸ』


暫く顔見れねぇ(罪悪感しゅごい)
帰ったらまず命懸けでこの事を思い出さなきゃ(使命感)


私が三反田君から目を逸らしていると周りの保健委員…特に善法寺先輩が優しい顔でこちらを見守っていた…ううっ、女神かな…？
さっきまでぽこすか怒ってたのに、だいぶ落ち着かれたようだ…


「うん！仲良くなれてよかったね！また怪我が痛くなったり包帯が緩んだりしたら何時でもおいで！腫れが引くまでは絶対無理しちゃダメだからね！」


そう言って善法寺先輩達、保健委員の子達が医務室からお見送りしてくれた…うう、何だよ天使かよぉ…

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