木刀振り回したら蛞蝓に直撃した。【中原中也】【紺の時代】

性癖に刺さらぬ奴等 ページ8

首領の執務室には、ビワ、中也、太宰が居る。


「君達には新しい任務を授けよう」


『授けないで』


「お前、黙れ」


『いゃーん。中也ちべたい』


「二人共。此の空気が冷たいよ」


『ニートなう〜』


首領の御前でこんな無礼をやらかす輩は組織内で、ビワのみだろう。


『そんで？任務とは何ぞや』


「拷も『よっしゃ、行くよ〜』


ビワはズカズカと扉へ向かう。


其の後を中也と太宰は追い乍、思うのだった。


((どの口が云うか))







◇◆◇◆◇◆


何故拷問が好きかと云えば。


否。


別に拷問が好きな訳では無い。


ビワのフェチ集合体探索の手段の一つと云えば善いだろうか。


拷問には、外部の人間がじゃんじゃんやって来る。


其の外部の人間からフェチ集合体を探したりするのだ。


そして、拷問以外でもフェチ集合体を探すには、先ず生きていなければならない。


生きる為には金が要る。


結局、フェチ集合体探索の元は金で在り、金の元は仕事なのだ。


其れ故に、拷問対象に微塵も性癖ポイントが含まれていなくても、次のフェチ集合体を探す金を手に入れる為に、仕方無しに働くのだった。


今のビワにはお気に入りのフェチ集合体(中也)が居るが、"フェチ集合体は何体居ても困らない"と云う事で、今も尚フェチ集合体を探し続けている。


因みに、今回の拷問。


ビワ以外は仕事をしていない。


何故か。


ビワは性格はともかく、仕事はちゃんとやる奴だからだ。


『何か最近の奴等は性癖に刺さらない奴ばっかり！！中也を除いて！！』


ビワは木刀を振り上げる。


拷問対象のうめき声。


『脂肪ばっか増やさないで、筋肉増やせ！！ついでに吐き出す情報も増やして！！』


ビワは木刀を振り上げる。


拷問対象のうめき声。


かれこれ三時間が経過していた。

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