木刀振り回したら蛞蝓に直撃した。【中原中也】【紺の時代】

フェチ集合体 ページ6

『ニートになりたーい』


ビワは中也の執務室にて、中也のシャツを脱がし、またもや腹筋を触っているのだった。


椅子に座る半裸の中也の膝に股を広げて、向かい合わせに座っている。


誰かが執務室に入って来ない事を願おう。


『私、胸筋無いから羨ましい』


胸筋も触り始める。


「女は胸筋鍛え難いだろ」


『デカ胸が邪魔だから？』


「ンー？んー」


合ってる様な、合ってない様な。


『私、結構在るからネ』


「訊いて無ェわ」


『信じて無い様だな。見せたろう』


「やめろ、露出狂」


ビワは、自分のシャツの釦を外し始めた。


「何してんの」


『あ、治』


太宰の目には、シャツを脱ぎ、上体の素肌が露になった中也と、そんな中也の膝に股を広げて向かい合わせに座るビワがシャツを脱いでいる光景が映っているだろう。


何と説明しても、語弊しか無い様な光景だ。


『今善いトコなんだから。空気読んでよ』


ビワは下着が見えている状態で、中也に抱き着く。


「じゃあ済んだら呼んで」


『らじゃー』


「おい。変な話すんじゃねぇ」


中也は太宰を呼び止める。


「じゃあ、何しようとしてたのさ」


「此奴が勝手に躰触ってくるだけだっつーの」


『中也はフェチ集合体』


「キモい云い方すんな」


『絹糸の様な橙の髪、白い陶器の様な肌、綺麗な碧眼、青い血管の浮いた角張った手、曲線を描く喉仏、滅多に見えない項(うなじ)、綺麗に割れた腹筋、其の真ん中に位置する臍(へそ)！！腹チラが望ましい！！』


うひゃあー！と叫ぶビワを見て、中也と太宰は引いていた。

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