木刀振り回したら蛞蝓に直撃した。【中原中也】【紺の時代】

服如何？ ページ11

『風呂貸せ』


「へいへい」


『服貸せ』


「は？」


何故服を持参しない？


「服は？」


『"もうこんな家厭だあぁぁぁぁぁ"みたいな感じで本部内を駆け抜けて来たから、わざわざ自分の部屋に戻んなかった』


ビワは首領に実の娘の様に可愛がられており、ビワの家はポートマフィアの本部なのだ。


其れに、本部内を駆け抜けて来たと云う事は、さぞかし浮いていただろう。


『中也、服貸してー』


「はァ？」


『彼シャツしよーぜ』


「貸さねェ」


『嘘だからあぁぁ！貸してえぇぇ』


中也はすがりついてくるビワを見て溜め息を吐いた。


「､､､､､､下着は？」


『ノーブラ、ノーパン』


「キッショ」


『嘘。パンツは在る』


何でパンツだけ在んの？


「､､､､サイズ合うか判ンねェぞ？」


『中也のなら合うでしょ』


「あ？」


『アイム、ソーリー』


「とりま服貸すから風呂入って来い」


『ラジャー』


ビワは脱衣所へ疾走して行った。







◇◆◇◆◇◆


ビワは脱衣所にて下着姿で待機している。


何故か。


少女漫画定番？の【好きな人が脱衣所に入って来て、下着姿、若しくは裸見られた】と云うのをしてみたいからだ。


好きな人と云うより、フェチ集合体だが。


『､､､､､､､来ない』


来ると思った理由が知りたい。


ビワは諦めて下着を外し始めたのだった。







◇◆◇◆◇◆


〜〜♪〜♪


キッチンの壁に設置して在るモニターから着信音が流れる。


モニターの音声ONのボタンを押す。


すると、


[ちゅうやあぁぁぁぁぁぁ]


モニターからビワの声が聞こえた。


風呂場とキッチンにはモニターが在り、音声電話の様な事が出来るのだ。


「うるっせェな」


中也はIHコンロ？みたいなヤツの電源を消して、脱衣所へ向かった。

オープン→←ディナー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す