久しぶりの 絶希 ページ35
祭りの囃子に、賑やかな笑い声。
此処、博麗神社のお祭りに、私は遊びに来ていました。
お祭りなんて何年ぶりでしょう、ワクワクしちゃいます。
「……鈴カステラ、焼きそば、……綿あめも捨て難いですね……」
露店を眺めながら、自身のお財布と相談しつつお祭りのお供を探します。
と、その露店の隙間を縫うように、見慣れた背中を見つけました。
思わず財布を取り落としそうになるものの、私はしっかりと握り直してからその背中目掛けて走り出します。
「お姉ちゃんっ!」
「うおっ」
勢いのまま飛び付けば、お姉ちゃんはいつも通り女の子らしくない悲鳴を上げて驚きます。
そんな所も私のお姉ちゃんそのままです。
「ちょっ、離せ絶希!」
「嫌ですよ、それよりお姉ちゃんもお祭り来たんですか!?」
「ばっ、違う!祭りの音が煩くて気になったから来ただけだ、これっぽっちも楽しもうなんざ思ってない!!」
「楽しもうと思ってたんですね!?じゃあ一緒に回りましょう!」
「どーしてそうなる!?」
とにかく離せ!!と無理矢理に引き剥がされてしまいました……うぅ。私はただ、久しぶりにお姉ちゃんと一緒に過ごしたかっただけなのですが…。
思わずしょんぼりした顔になると、それを見たお姉ちゃんはニンマリと笑います。相変わらずのゲスい笑顔で、何だか安心しました。
「さては絶希、誰も回るヤツいないから私と回ろうってか?」
「そうですよ?というか、それ以外に理由は無いです」
間髪入れずに私は返します。
これも全て、お姉ちゃんと共に回る為……ただ、一緒に回っていたらまた、「あら、絶希ちゃんは鬼人正邪の見張り?」なんて言われてしまうのでしょうか……それは嫌だなぁ。
「……ざ、残念だったな!私にはもう一緒に回るヤツが居るんだ!」
なんて考え事をしていると、お姉ちゃんは腕を組んで堂々言い放ちます。
……もう既に、回る人が居る…?
珍しい事態に、私は思わず顔を上げて詰め寄ってしまいました。
「だ、誰ですかそんな物好きは……!?」
「……アンタ、たまに馬鹿だよな」
ハッとして選ぶ言葉を間違えた事に気付きます。慌ててぶんぶん首を振り、違うと意思表示。
そんな私を見たお姉ちゃんは、暫く真っ赤な瞳で私を見つめていましたが、不意に大きな溜め息を吐きます。
「……仕方ないから、ツレが来るまで一緒に回ってやるよ」
その返事があまりにも嬉しくて、また抱き着いてしまったのは言うまでもない事なのでした。
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サナティ(プロフ) - 更新したよ!何か修正あったら自分でやるか報告よろしく! (2019年10月18日 3時) (レス) id: 76619556e2 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 紫龍さん» 花火ですか…ちょっと書いてくる!という訳で更新するよ! (2019年10月18日 3時) (レス) id: 76619556e2 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - サナティさん» もう10月やね〜(他人事←) あ…どうもーお久しぶりです!なんかね、呼ばれた気がしたから浮上しやした(誰も呼んでない)完結なら花火でも打ち上げちゃえ!!そうすれば何か終わりそうじゃね? (2019年10月17日 19時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 星蝶さん» させた方が良いと思うけど...どう完結させる? (2019年10月12日 18時) (レス) id: 76619556e2 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - サナティさん» どうしよっか……一応完結?させる? (2019年10月12日 17時) (レス) id: 63cf388e00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸花_毒 x他6人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2019年7月28日 22時