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リュウトがいってから数秒後。
「シュウタ、いってないだろ?好きにしていいよ…」
リュウトの激甘な誘惑。
シュウタはそれに負けたのだと思う。
カシャっとベルトを外す音、多分ズボンを脱いでいるであろう布の擦れる音がする。
「そうさせてもらうよ」
その言葉を最後に私はその場から立ち去った。
帰宅した後もぼーっとソファーに座ってただただ余韻に浸った。
*******
それは雲行きが怪しい日の出来事。
もうすぐテスト勉強期間に入り、部活がお休みになるため、私はテスト前最後に部室へと訪問した。
部室にはユウマとリョウスケ、ツバサの3人がいてどこか冷たい空気を感じる。
まだ午後四時なのに薄暗い。
天気が悪いのもあるが、秋が近づいてきたのかもしれない。
秋の学校行事といえば文化祭。
私はずっと前からこの部ではどんなお店を出すのかな、と胸を膨らませワクワクしているので楽しみだ。
部室の重くてひんやりとした静けさを破ったのは、部長のユウマだった。
「なぁ、そろそろ白黒ハッキリしようや」
ユウマは椅子からガタッと飛び上がる。
リョウスケは、「んー?」と寝起きの猫のようにのんびりと伸びていた。
ツバサはユウマが言っていることを一瞬で察したようで、目付きを鋭くする。
もしかしてリョウスケもあんな態度だけど分かってて、私だけが話についていけていないのかもと焦ってしまう。
「リョウスケ…、分かっとるかもしれへんけどなぁ。俺とツバサはお前のこと好きなんや」
いつもチャラチャラしているユウマからは、想像できない真面目な姿。
よっぽとリョウスケを愛しているのだろう。
「僕も好きぃ……」
寝ぼけているのか、鈍感なのか、あるいはどちらも当てはまるのか。
曖昧な態度をみせるリョウスケ。
全く、有名ホストの弟だというのに。
しかし、兄に影響されず、自分らしく生きているリョウスケが美しくみえた。
「ちゃうねん。俺はもう限界なんよ。リョウスケと恋人の関係になりたいんや」
ちゃんと思いが伝わらなかったので、少しキレ口調のユウマ。
ユウマの意見に頷いているツバサ。
私は別に選ばなくてもいいと思うけど。
でも、三角関係は萌える、と腐女子の私は興奮に至った。
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永遠の5ちゃいだよ - 最高すぎます!あー幸せ (2022年2月8日 15時) (レス) @page11 id: 5ea1d8bd69 (このIDを非表示/違反報告)
くちもうふ - 何か私のノドから私でも聞いた事ない声が出ました.その位最高という事ですね!ニヤニヤが止まりませぬ…続きが楽しみです!! (2021年4月1日 12時) (レス) id: 3d568debde (このIDを非表示/違反報告)
苺の王子推し - 続き気になります! (2021年3月26日 22時) (レス) id: 2497fd4f55 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - マミ@ポ女さん» 更新最近できてないので頑張りますね (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - 澪@橙苺王子様推しさん» リア友に勧められたのは凄いですねw私も苺の王子様推してますよ、仲間です!! (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lemonsquash | 作成日時:2021年3月8日 17時