【名前変換オリジナル/BL】ウチの部活がヤバいんです!! (ページ1)

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暖かい陽の光が当たるレンガ造りの校舎。

色彩豊かな花々が咲き乱れる中庭。

夏の生ぬるい風が、私の頬を撫でる。

私は新しく、シワひとつ無い制服を身に付け、校門前にただ一人立っていた。

小鳥たちが歌うようにさえずっている。

高一の夏、急に決まった転校に頭が追いついていなかった私だが、ようやく実感が湧いてきた頃合だった。

つくづく不運だなと思う。

中学3年生の時にとても頑張って勉強して、志望校に入れたのに、すぐに転校なんて本当にありえない。

しかし、こうやって今初めて目にする校舎を眺めていると、｢これから私の新しい高校生活が始まるんだ｣ということをハッキリ感じることができた。

キーンコーンコーンコーン。始業の鐘が響き渡り、私は急いで教室に駆け込んだ。

｢初めまして。咲羅野高校から来ました、AAです！よろしくお願いします｣

私が今日に入った瞬間、挨拶をすると｢宜しく〜｣
と元気な返事が返ってきた。

良かった、上手くやっていけそうだ。

｢おーい、A。初っ端から遅刻じゃねえか！まぁ、見逃してやるがよ。俺は優しいからな｣

と、担任の川田先生が話しかけてくる。

体格がガッチリしていて、声も図太く明らかに体育会系の先生だが良さそうだ。

｢はいっ、すいませんでした。次から気をつけますけど、自分で優しいとか言います〜？｣

このクラスには沢山いい人が多そうなので、私は心からホットして、胸をなで下ろした。

*******

この紫澤(ゆかりざわ)高校に来てからもう三日。

放課後、私が帰ろうとすると急に川田先生に引き止められた。

｢お前、部活には入らないのか？評定、やがては大学受験に影響するんだが…｣

そう告げられてハッとした。

全く部活のことなんて考えていなかったから、返答に困る。

｢もし、入る部活が無いんだったら…俺がこもんをしている演劇部に入らないか？｣

｢え？｣

何このスカウト的な展開、と呟きそうになった。

私は川田先生から、演技が上手そうと思われていたのかと複雑な気分になる。

｢いや、気が向いたらでいいんだが。女子の幽霊部員の先輩も数人いてね。実質男子五人の部活なんだよ。｣

なるほど、つまり入る部活がないのなら演劇部の幽霊部員が向いているというわけか。

私は数十秒黙って考え込み、答えを出した。

｢分かりました。私、演劇部に入ります！｣