黒薔薇と桃ユリ ページ46
「……花の種類の好みとか、聞いてもいいかな」
色だけでなく種類も追求されるとは思っておらず、思わず戸惑ったが『あー…』と躊躇いがちにAは口を開いた。
『ユリ……かな。ピンクのユリ』
「私は薔薇なんだ。よく赤い薔薇が似合うねって言われるけど、私が好きなのは黒い薔薇なの」
黒い薔薇とは珍しい物を好むんだな、と思いAは興味深そうに『へぇ』と声に出して反応した。何でユリなの？とモニカからの質問は絶えず続き、その質問にAが答える、という繰り返しの作業が続く事10分。短いのか長いのか分からなかったが、モニカが用事があると言って去っていってしまったため、その場には一人取り残されてしまった。
『……黒い薔薇、か』
ピンクのユリが好きな理由は、単純に誕生日プレゼントに貰ったからだ。幼すぎたからか誰から貰ったのかは覚えていないが、そんな思い出があるからピンクのユリが一番好きなのだ。しかしモニカの言った黒い薔薇も気になっていた。どこか懐かしいような気がするのは気のせいだろうか。
決して滅びることのない愛
永遠
貴方の事を一途に思い続ける、という意味でクラリネスでは婚儀の際に恋人に贈る花として人気とされているが、他にも意味はあって、あなたはあくまで私の物だとか、恨み、憎しみだとか。そんな束縛や悲しい意味を含む花でもあるが、モニカはいったいどちらの意味で好きになったのだろうか。
彼女は、一途に思い続ける相手がいるのか。それとも、好きな彼を束縛したいのか。それがどんな方法であっても……それはモニカにしか分からないのだが、つい考えてしまった。
『何かの手違いで好きになってくれないかな……とか思うものなのかな』
「自分に分からんことを自分に聞いてどうする」
そんな声が左の方から聞こえてきて、横目で声を発した人物を確認すると、そこには訓練終わりで汗を体中にはりつけたフェリクスが立っていた。風邪引くよ、と声をかけても気にした様子は見せずにAの横に立って空を見上げ、切なそうな瞳で「オイ」と口を開いた。
「お前に意中の相手が誰であろうと俺には興味ない。だがそのせいで訓練をサボろうなんて思うなよ」
『サボらないよ。そんな相手はいないし、ちょっと他の子の話を聞いてふとそう思っただけだから』
そう言葉を発した時に、とある出来事を思い出して『あ』と声を漏らした。
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楓 - 餅さん» ありがとうございます。入試頑張ってくださいね。分からないところを分かるまで解くのは本当に大変だということが分かります。二月の入試、応援しています。お褒めの言葉をわざわざありがとうございました。これからも頑張っていきます。 (2020年1月24日 17時) (
レス) id: da7e11619f (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 合格おめでとうございます。私も2月の初旬に入試があり、今年度が中学最後の冬になる者ですが、書き方等が中学生のそれよりもはるかに高いのでまさか同い年とは思っておらず、現在とてもびっくりしております。学年末、頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2020年1月23日 23時) (レス) id: 5c9f4852bc (このIDを非表示/違反報告)
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