欲求不満 ページ41
「あのなあ、冗談でもそんな事言われたら不安になるでしょうが。笑わないでくださいよ……」
『いや、でも本当に。だっていつもシルヴァンが一方的に私についてきただけでしょ。まあいい反応してたけど』
ふふ、と珍しく無邪気に笑うAを見てシルヴァンは目を見開き、無意識にそっと手を伸ばして彼女の頬に手を当てた。ひんやりとした大きな手が頬に当てられてAは笑うのをやめて見上げる。
『シルヴァン？』
「……」
シルヴァンは名前を呼ばれても反応を返さず、頬に当てた指を彼女の唇へと滑らせて優しく撫でた。この展開が何を意味するのか、分からないAではない。自分の勘違いかもしれないが、もし勘違いでないとしたら……
そんな事を思っているうちに反対側の手がガシッと肩に添えられて立ち上がることが出来なくなった。
シルヴァンの息遣いが聞こえる距離にまで、彼の顔はAの方へと近づいていた。吐息が耳や頬に触れてビクッと少しビックリするが、それどころじゃない。
『シルヴァン、何……しようとしてるの』
「……何って、こんなに近くても分かりませんか？」
鼻先が触れて、思わず呼吸が止まった。ダメだと頭では分かっているのに、自分を見つめるシルヴァンの瞳があまりにも真っ直ぐで綺麗で、見惚れてしまっていた。うっすらと開かれていた瞳はだんだんと閉じていく。それを見た瞬間、Aは『シルヴァン』と焦りながら名前を呼んで自分の口とシルヴァンの口の間に手を挟んだ。
『仲良くするのと、キスは違うでしょ』
しっかりしなさい、と言いながらシルヴァンの肩を軽く揺さぶると、自分が何をしようとしていたのか今まで理解できていなかったのか「あ…？」と頭にハテナを浮かべていた。
「……ああ、すみません。もうAに触れていいんだって思えたら嬉しくて……」
『……だから、甘えようとしてたってこと？』
そう問いかけると、シルヴァンは「それもあるけど」と言ってAの首筋に頭を預けた。無造作にはねた髪がAの首に当たり、くすぐったくて『んっ…』と声を上げると、そのあとくすぐったさが感じなくなるほどの痛みが首筋に走った。
痛いのに、声が上げられない。初めての感覚に狼狽える中、シルヴァンは頭を埋めたまま顔を上げようとはしない。
痛い。
震える手をなんとか動かして、シルヴァンの服をギュッと掴んで、離して、と訴えた。
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楓 - 餅さん» ありがとうございます。入試頑張ってくださいね。分からないところを分かるまで解くのは本当に大変だということが分かります。二月の入試、応援しています。お褒めの言葉をわざわざありがとうございました。これからも頑張っていきます。 (2020年1月24日 17時) (
レス) id: da7e11619f (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 合格おめでとうございます。私も2月の初旬に入試があり、今年度が中学最後の冬になる者ですが、書き方等が中学生のそれよりもはるかに高いのでまさか同い年とは思っておらず、現在とてもびっくりしております。学年末、頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2020年1月23日 23時) (レス) id: 5c9f4852bc (このIDを非表示/違反報告)
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