罪悪感 ページ40
「……」
『……』
目を合わせなければ話しかけもしない。そんな状態を続けても意味がないと言うのに続けてしまうのはやはり恐れているからだろう。互いに互いを理解している。だが、理解していてもやはり不満はあるわけで、こうして話し合おうとしているのだが、二人とも固く口を閉ざしていた。
「……おい」
『何……』
乱暴な口調でそう先に声をかけたのはシルヴァンだった。ビクッと肩を跳ねあげて返事をするが、シルヴァンから言葉が発されることはなかった。用事があるなら早く言ってほしい。そう言わんばかりの表情でゆっくり視線を上げると、バチッとシルヴァンと視線が合った。
すると、シルヴァンは満足げに目を弧のように細めて笑みを浮かべた。
「やっとこっち見たな」
そんな無邪気な彼の笑顔が、何故だか脳裏に焼き付いて離れなかった。どうしてそんなことだけで……私と目があっただけで笑えるのか。Aにはこの時だけシルヴァンが理解できなかった。
「Aが虫嫌いだって聞いてる。だから俺に近づきたくない気持ちは、まあ分かる。本当は我慢しなきゃならないって思ってたが、俺だって苦しいんだよ。好きな奴に避けられるってことがどんなに苦しいか、アンタには分からないかもしれないけどさ。……Aのいない空間は空気が薄く感じるんだよ」
本当に辛そうで悲しそうな表情でシルヴァンが話をしてくるものだから、Aの心の中は罪悪感で満たされた。シルヴァンならば理解していくれるだろう。しばらくの間、落ち着くまでは我慢してくれるだろう。そう思っていたが所詮は思い込み。
シルヴァンだって自分と同じ人間だ。嫌なことだってあるはずなのに、Aは私情に彼を巻き込んで振り回した挙げ句避ける、という最悪な状況にしてしまった。そのうえ何も悪くないシルヴァンを傷つけた。
『……そんなに、傷ついてたって知らなかった。ごめん』
「いや、謝ってほしいわけじゃなくて、これからは前のように仲良くしてくれねぇかな、って……」
頭を机につけて謝ったAにシルヴァンは顔を上げるように言った。だがそんなシルヴァンの言葉を聞いたAは目を見開いて顔を上げ、パチパチと何度か瞬きさせたあと、こう言った。
『私とシルヴァンって、そんなに仲が良い関係だったっけ？』
「えっ…」
思わずそんな間抜けな声が出たときにはもう遅い。しまった、という顔をするとAはクスッと腹を抱えながら笑った。
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楓 - 餅さん» ありがとうございます。入試頑張ってくださいね。分からないところを分かるまで解くのは本当に大変だということが分かります。二月の入試、応援しています。お褒めの言葉をわざわざありがとうございました。これからも頑張っていきます。 (2020年1月24日 17時) (
レス) id: da7e11619f (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 合格おめでとうございます。私も2月の初旬に入試があり、今年度が中学最後の冬になる者ですが、書き方等が中学生のそれよりもはるかに高いのでまさか同い年とは思っておらず、現在とてもびっくりしております。学年末、頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2020年1月23日 23時) (レス) id: 5c9f4852bc (このIDを非表示/違反報告)
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