女帝の買い物 ページ29
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やって来たのはガルグ=マクからだいぶ離れた場所にある街で、店数は少ないものの争い事の起きていないような場所だとすぐに分かった。今まで訪れた場所に住む人は、この街に住む者の表情と全く違ったからだ。争いを知らない顔、いうべきだろうか。
「それで、貴方はいったい何を買いに来たの？」
『……服と、ラミネート。押し花を作るためにね』
ラミネートを買う理由は分かったが、どうして服を買う必要があるのかエーデルガルトにはさっぱり分からず「服は？」と問いかけた。Aの肩が一瞬跳ねたのを見逃さなかったエーデルガルトは鋭い瞳をゆっくり瞬きして、彼女が答えてくれるまで待った。
『……何でもいいでしょ。で、エーデルガルトは何を買うの？』
たぶらかされたエーデルガルトは問いただそうとしたが、しつこく追及してはせっかくの楽しい外出の雰囲気を壊してしまいそうだったため「私はマフラー」と言って白い息を吐きながら顔を両手で覆うように手を当てた。息で手を温めているのだろう。もう赤狼の節のため、気温はかなり下がってきている。
この調子だと、星辰の節になるまでには雪が降るのではないだろうか。クラリネスの王都ウィスタルは12月末頃に毎年雪が降り始め、1月頃に積もる。中でもリリアスは北の地のため、10月から雪が積もり始めているのだ。
フォドラもクラリネスとあまり気温は変わらないが、ファーガス神聖王国は北の地のため、そろそろ雪が降る頃ではないだろうか。寒さが厳しく食糧が不足しやすいため、民が飢えやすい土地だと聞いている。ディミトリはどうするんだろう、とこんな時でも彼のことを頭に浮かべてしまうのは癖なのかもしれない。
『いいね、私もマフラー買おうかな。ディミトリの首、いつも寒そうだし二人分選ばないと』
「あ、ちょっ……待ちなさい！貴方は自分の分を買う必要はないの！」
さっそく並んでいる露店に足を踏み入れようとすると、エーデルガルトの制止の声がかかり、Aの足がピタリと止まった。エーデルガルトが何を言っているのか意味が分からず、Aは『寒いじゃん』と告げたが、エーデルガルトは違う、と言いたげに呆れたように首を横に振り、額に手を当てた。
「……察しなさいよ。私が貴方にマフラーをプレゼントしようとしていたの。だから、そのために貴方の好みを探りだして買う予定だったのに。人の行動は読むくせに気持ちは分からないだなんて」
『分かるわけないでしょ』
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楓 - 餅さん» ありがとうございます。入試頑張ってくださいね。分からないところを分かるまで解くのは本当に大変だということが分かります。二月の入試、応援しています。お褒めの言葉をわざわざありがとうございました。これからも頑張っていきます。 (2020年1月24日 17時) (
レス) id: da7e11619f (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 合格おめでとうございます。私も2月の初旬に入試があり、今年度が中学最後の冬になる者ですが、書き方等が中学生のそれよりもはるかに高いのでまさか同い年とは思っておらず、現在とてもびっくりしております。学年末、頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2020年1月23日 23時) (レス) id: 5c9f4852bc (このIDを非表示/違反報告)
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