虫だけは ページ21
「抜け駆けはよくないなあエーデルガルト。俺の学級からも二人が
救世主、かと思いきややって来たクロードはAの腕を引っ張りあげて自分の真後ろへと隠した。もう一人の救世主はクロードとは違って「落ち着けお前たち」と言ってみんなを宥めていた。流石は我らが級長ディミトリ殿下だ。相変わらず爽やかな笑顔と冷静な態度でその場の雰囲気を変えた。
「何よ、ちょっとAからの好感度が高いからといい気になって」
「そんなつもりはない。本人が嫌がっているから言ったまでだ」
エーデルガルトの発言によって再びこの場の雰囲気は変わる。訓練どころではなくなったこの場をどうするか考えることなく、どう去るべきか悩んでいたが、ふとAの視界にとある物が映った。
固まったまま動かないAの様子に気がついたシルヴァンは「A？」と彼女の顔を覗きこみながら声をかけたが、Aは顔面蒼白にして死んだように固まったまま。
床を移動している黒くて小さな生き物を見たAは大きく目を見開いて『いやっ！！』と大きな悲鳴を上げて、こちらへとやって来るその生き物の方へシルヴァンを押し倒してしまった。
「いてっ……何すんだ……ん？」
シルヴァンが起き上がったとき、彼の白いシャツから黒い生き物が床に落ちて、Aは逃げるようにシルヴァンから離れてエーデルガルトの後ろに隠れた。押し倒してしまった時、偶然シルヴァンがあの生き物の上に倒れて押し潰してしまったらしい。
「ふふっ、Aはこちら側に来ることを望んでいるようだけど？」
「いや、流石にそれは……って、A…？」
ディミトリが彼女の死んだ魚のような目を見て声をかけた。ビクッと肩を思い切り跳ねあげて警戒しながら『何』と問いかける。これはもしかすると、と嫌な汗がディミトリの額を伝う。
「虫に触れた男のいる学級にAは居たがるかしら。ねぇA、今節だけでいいから転入しない？」
『……何があっても転入する気はないと思っていたけど、これだけは無理。ごめんディミトリ』
Aの虫嫌いを利用して転入するように仕向けたとはズル賢い。偶然あの生き物が来たと言えど運が良すぎる。虫だけは本当に苦手なAは、シャツに虫がついただけでも嫌だと言ってシルヴァンと視線すら合わせようとしなかった。
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楓 - 餅さん» ありがとうございます。入試頑張ってくださいね。分からないところを分かるまで解くのは本当に大変だということが分かります。二月の入試、応援しています。お褒めの言葉をわざわざありがとうございました。これからも頑張っていきます。 (2020年1月24日 17時) (
レス) id: da7e11619f (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - 合格おめでとうございます。私も2月の初旬に入試があり、今年度が中学最後の冬になる者ですが、書き方等が中学生のそれよりもはるかに高いのでまさか同い年とは思っておらず、現在とてもびっくりしております。学年末、頑張ってください。陰ながら応援しております。 (2020年1月23日 23時) (レス) id: 5c9f4852bc (このIDを非表示/違反報告)
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