生きていくのなら ページ7
＊
ディミトリの予想は的中し、訓練場に足を進めると、華麗にバク宙をしているAの姿があった。恐らく体術の訓練をしていたのだろう。武器は隅の方に丁寧に置かれていた。その絢爛豪華な姿に見惚れていたシルヴァンの目の前を素早く何かが通りかかった。
ビィィィンと振動しながら壁に突き刺さった手槍を見てシルヴァンは顔面蒼白になる。
「あぶあぶあぶ……」
危ないと言いたいのだろうか。恐ろしさのあまり危ない、ということさえ出来なくなっていた。流石にシルヴァンが気の毒になってきたためディミトリはAに程々にしろ、と言った。
『申し訳ありません殿下。……それで、シルヴァンは何の用でここに来たの？』
「……あの、さ。」
謝ると決意しても中々ごめんの一言が言い出せず、シルヴァンは口ごもる。ふわっと上着を着たAはもう帰る気満々だったが、シルヴァンが要件を言うまで、嫌な顔一つせず何も言わずに黙って待っていた。
「＿＿＿＿＿さっきは、ごめん。」
シルヴァンは腰を斜め45度ピッタリ曲げて頭を下げる。頭を下げているため、Aの顔が見えず彼女が今どんな表情をしているのか分からない。そっと顔を上げて顔色を伺うと、彼女は真顔でシルヴァンを見つめていた。
『いいよ、別に謝ってほしかったわけじゃないから。というよりも、そんな事を気にしているなんてシルヴァンらしくないね。』
「……アンタと話せなくなると思ったんだ。アンタの目から見た俺はいつも女を口説いてる最低な奴かもしれないけど」
『かもしれないじゃなくて、そうなんだよ。というか私だけじゃなく皆思ってることだから。』
グサグサと刺さる言葉の槍がシルヴァンにどんどんダメージを与えていく。
『女垂らしだし。』
「うっ……」
『人の事をゴリラ呼ばわりするし。』
「うう……」
『バカだし。』
「ううう……っていや、最後の一つは余計だろ！？」
お嬢さんだって人をバカ呼ばわりしてるだろ！と指摘するシルヴァンを無視してとにかく、と話を改めるA。
『別に性格は人それぞれだし、個性を否定するわけじゃないからシルヴァンの好きにすればいい。でもそれで人に迷惑をかけたらダメ。自分の取る行動一つ一つに責任が取れるようにならないと、何をしても諸刃の剣として返ってくるよ。』
特にシルヴァンはね、と鋭い視線をシルヴァンに向けて手を振りながら去っていったAをシルヴァンは瞬きせずに見つめていた。
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イナアレオリ - 楓様この小説とっても読みごたえがあって私好みの作品です\(//∇//)\私のワガママなのですが，月光の姫の小説のパスワードを教えてくださいm(_ _)m月光の姫の小説も私のお気に入り小説なのでお願いします！ワガママ言って本当にすいません (2021年8月16日 23時) (
レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 冬木さん» その事に関しては一応以前伝えておいたのですが、更新と同時にページの関係で消しており、また後に時間がある時に修正する……という風に閲覧者様にはお伝えしていますので、しばらくお待ちください。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
冬木 - 国名とか主人公の苗字とかに赤髪の白雪姫の要素が入っているので、明記しておいた方がいいと思います (2020年8月12日 2時) (レス) id: 4c70962f8d (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ねこみや梓さん» すみません、王妃であってます。ご指摘ありがとうございます (2020年6月7日 13時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや梓(プロフ) - 主人公の母親は王女じゃなくて王妃だと思います。王女だと王様の娘という意味だったと思うので。間違ってたらすみません。 (2020年6月7日 12時) (レス) id: 376aefe0b2 (このIDを非表示/違反報告)
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