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紋章の力 ページ46





"私の存在意義を示せ"



つまり、王族として存在し続けるかどうかは第一王子の兄が決めろ、という内容だ。A自身は別に王族でなくてもいいと思っている。大切な友達を守ることができるのならば。



『私は首を取られて当然の事をしてきた。』

「だから何!?それで貴方は死ぬの!?バカみたい……」

『ならエーデルガルトは、私に紋章を使えと言うの?』



それを聞いたエーデルガルトはガッとAの胸ぐらを掴んで机のある場所へ投げるように押した。机に体をうち、唇を切って血がジワリと滲み出てくる、よろけたAにエーデルガルトがゆっくりと近づいた。



「どうして紋章を使わなかったの?紋章を使えば貴方はケガすることなんてなかった。」


『……私の紋章は、人を傷つけるものでしかないよ。それは貴方が一番分かってるでしょ、エーデルガルト。』



エーデルガルトは俯く。Aの紋章がどれだけ凶器になるのか分かっているのだ。分かっているが、自分の存在を縛られて、反抗しないAに腹がたち、ケガをさせるようなことをしてしまった。罰が悪そうに「ごめん、なさい」と頭を下げる。



「……悪かったわ。でも覚えておいて。貴方の命が自分の命より大切だと思っている人がいるってことを…」



エーデルガルトは、振り返らずに教室を出て行った。彼女の後ろ姿を見つめるAの蒼眼には、白く長い髪と赤と黒の制服がハッキリと映し出されていた。見えなくなったところで、Aはふぅ、とため息をつく。


「ねぇA、貴方の紋章が凶器ってどういうこと?」

『……それ、答えなきゃいけない?』



答えたくない、という風に視線を下げるA。質問したアネットは知りたい、という目でAを見つめていた。続いてイングリットやメルセデスも知らない、と言い出してAはスッと視線を上げて口を開いた。



『私は紋章の力のおかげで人一倍力があるわけだけど、自分に紋章があると知らなかった頃、ふいに発動してしまい城を壊してしまって』

「城を破壊……」



勿論、侍女や王城兵には心配され、イザナには怒られたという。城を破壊する威力がAのような王女に備わるべきなのかは分からないが、城を破壊する剛力はディミトリに似ているような気がしてならなかった。

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イナアレオリ - 楓様この小説とっても読みごたえがあって私好みの作品です\(//∇//)\私のワガママなのですが,月光の姫の小説のパスワードを教えてくださいm(_ _)m月光の姫の小説も私のお気に入り小説なのでお願いします!ワガママ言って本当にすいません (2021年8月16日 23時) (レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 冬木さん» その事に関しては一応以前伝えておいたのですが、更新と同時にページの関係で消しており、また後に時間がある時に修正する……という風に閲覧者様にはお伝えしていますので、しばらくお待ちください。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
冬木 - 国名とか主人公の苗字とかに赤髪の白雪姫の要素が入っているので、明記しておいた方がいいと思います (2020年8月12日 2時) (レス) id: 4c70962f8d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねこみや梓さん» すみません、王妃であってます。ご指摘ありがとうございます (2020年6月7日 13時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや梓(プロフ) - 主人公の母親は王女じゃなくて王妃だと思います。王女だと王様の娘という意味だったと思うので。間違ってたらすみません。 (2020年6月7日 12時) (レス) id: 376aefe0b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 17時

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