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戦いを知る ページ39





「……どうして、こんな。ロナート様は優しい方だったのに。街のみんなも、いい人ばかりで……僕は、そんなみんなを……殺してしまった。こうするしか……こうするしかなかった。それはわかっているんです。だけど……!」


嘆きに近い声は、とてもアッシュの声とは思えないほど、か弱かった。頭では理解していても、蟠りを感じてしまうことはよくあることだ。かつてAも感じたことだ。Aは母を殺した際、アッシュと同じことを思ったのだから。



「……無理をするな、アッシュ。」


「……ご心配をおかけして、すみません。……僕、ちょっと街の様子を見てきます。弟たちが、無事でいればいいけれど……。」



自分のことより弟たちのことを気にするとは、本当に優しい子だな、とつくづく思う。だからこそ、こんな想いをしてほしくなかった。親を殺める苦しみを知ってほしくなかったのだ。目頭に溜まった涙がアッシュの頬を伝うところは見れなかったが、どうか一人の時にでも泣いてほしい。



悲しみを涙と共に流してほしい。当時のAは我慢をしていて泣くことができなかったから。



『アッシュに親を殺める苦しみを知られずに済んだのが、せめてもの救いかな。とは言っても結局どんな形であれ親を失うことには変わりはないんだけどね。』


「……俺も、民を手にかけたのは始めてだ。彼らを守るのが、俺の責務だと言うのにな。」



それは王子としての言葉だろうか。ディミトリまで自分を責めていた。何もできなかった自分に、殺して解決することしかできなかった自分に。Aは何も言わずにディミトリの横で「避けられない犠牲だった」というベレトの言葉を聞いていた。




「……彼らは騎士でも兵士でもない!殺すべき相手では……なかった。

いや……すまない。先生を責めるのは、筋が違うよな。ああしなければ、より多くの民が命を落とすことになったかもしれない。わかってはいるんだ、頭では。それでも……。」



誰かが手を血に染めなければ何かを成すことはできない。それを知らないディミトリたちには今回の戦いはあまりにも悲惨なものだった。地獄のようだっただろう。人の命を奪い、喜べるほどAも非情ではなかった。そして、ディミトリは問いかけた。




「……なあ、先生。いつの時代の為政者も、大義のため、踏みにじった命に報いるために戦うと嘯く。だが……大義の2文字を掲げさえすれば、何を踏みにじっても許されるのか?」

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イナアレオリ - 楓様この小説とっても読みごたえがあって私好みの作品です\(//∇//)\私のワガママなのですが,月光の姫の小説のパスワードを教えてくださいm(_ _)m月光の姫の小説も私のお気に入り小説なのでお願いします!ワガママ言って本当にすいません (2021年8月16日 23時) (レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 冬木さん» その事に関しては一応以前伝えておいたのですが、更新と同時にページの関係で消しており、また後に時間がある時に修正する……という風に閲覧者様にはお伝えしていますので、しばらくお待ちください。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
冬木 - 国名とか主人公の苗字とかに赤髪の白雪姫の要素が入っているので、明記しておいた方がいいと思います (2020年8月12日 2時) (レス) id: 4c70962f8d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねこみや梓さん» すみません、王妃であってます。ご指摘ありがとうございます (2020年6月7日 13時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや梓(プロフ) - 主人公の母親は王女じゃなくて王妃だと思います。王女だと王様の娘という意味だったと思うので。間違ってたらすみません。 (2020年6月7日 12時) (レス) id: 376aefe0b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月12日 17時

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