お眠り殿下 ページ22
＊
『アネットあたりにバルスを使ってもらいたい。そしてそれをシルヴァンに……』
滅びの呪文までシルヴァンに与えようとするAをアッシュは必死に止める。流石にそれはシルヴァンの体だけでなくメンタルも傷つくだろう。
『冗談だよ。シルヴァンが可哀想でしょ。』
「Aが言うと冗談に聞こえないんですよ。」
その後しばらくの間フフ、アハハ、という笑い声が書庫に響き渡った。久しぶりにした本の話が意外と盛り上がり、普段稽古とかで関わることのないアッシュともよく話すことができた。
ディミトリのことをすっかり忘れていた二人だったが、Aの右肩に急に何かの重みが加わり、それを確認するために視線を向けた。案の定それはディミトリで、本を読んだら寝てしまったようだ。疲れが溜まっているのだろうか。
『起こすのも悪いよね。医務室にでも運んじゃう？』
「でも僕は……その、非力ですし、運べませんよ？」
『訓練場にフェリクスがいるだろうから呼んできて。私はこのままここで待ってるから。』
右肩痛いからなるべく早くね、と言いながらAはディミトリの頭を支えていた。人間の体の中で一番重い部分は頭だと言われている。もし寝返りを打ったらディミトリの頭は間違いなく地面に衝突してしまうため、支えているのだ。
『……そういえば、話って何だったんだろう。』
ディミトリの顔を見つめていると、本来の目的を思い出し、Aはしまった、と焦った表情をした。ディミトリは確か二人で話したいことがある、と言っていた。今節の課題の事、あるいは他のことだろうか。だとしたら待たせて本当に申し訳なかった。
「A、猪が倒れたというのは本当か？」
よほど急いで呼びに行ってくれたのか、五分経たないうちにフェリクスが書庫にやって来た。フェリクスは書庫に入ってすぐにAの肩に寄り添い眠るディミトリを目にして眉間にシワを寄せる。
「捨て置けばいいだろう。」
『そういうわけにもいかないでしょ。風邪を引かせるわけにはいかないから。』
殿下に向かった何を言いだすんだこの稽古バカは、とAは呆れ気味に言葉は放つ。フェリクスは相変わらず嫌そうな顔をしているが、Aに運ぶのを手伝えと言われて逆らえず、共に医務室まで運ぶのだった。
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イナアレオリ - 楓様この小説とっても読みごたえがあって私好みの作品です\(//∇//)\私のワガママなのですが，月光の姫の小説のパスワードを教えてくださいm(_ _)m月光の姫の小説も私のお気に入り小説なのでお願いします！ワガママ言って本当にすいません (2021年8月16日 23時) (
レス) id: 2e62a84241 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 冬木さん» その事に関しては一応以前伝えておいたのですが、更新と同時にページの関係で消しており、また後に時間がある時に修正する……という風に閲覧者様にはお伝えしていますので、しばらくお待ちください。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
冬木 - 国名とか主人公の苗字とかに赤髪の白雪姫の要素が入っているので、明記しておいた方がいいと思います (2020年8月12日 2時) (レス) id: 4c70962f8d (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ねこみや梓さん» すみません、王妃であってます。ご指摘ありがとうございます (2020年6月7日 13時) (レス) id: ffc3db4687 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや梓(プロフ) - 主人公の母親は王女じゃなくて王妃だと思います。王女だと王様の娘という意味だったと思うので。間違ってたらすみません。 (2020年6月7日 12時) (レス) id: 376aefe0b2 (このIDを非表示/違反報告)
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