３食、流星さんの愛情付き。

07. ページ7

〆．



それから数日後のことだった。



私は初めて、彼の数少ない友人である「望」さんに会った。



彼は流星さんに会いにこの家へやってきたけれど、あいにく流星さんは休日出勤。



とりあえず家に上がってもらった。



「流星のお気に入りか！」



「お気に入り………」



「いっつも楽しそうに話してくれるんよ、Aが可愛いだのA襲いたいだの」



「っ、」



「ふは、顔赤〜」



望さんもなかなか意地悪なのかもしれない。



「はあ、今日流星おらんのか〜、いつ帰ってくるとかわかる？」



「多分夜頃になるかと……」



「あ、ほんま？」



チャンスやん！！と叫んだ望さんは、私の方に向き直り、そのまま押し倒してきた。



「へ」



冷たい床と、視界いっぱいの望さんの顔。



唇が触れるギリギリのところで、私たちは見つめ合っていた。



「……ど、どいてください」



「嫌、って言うたら？」



「っ、なんでこんなこと……！」



怖かった。泣きそうだった。



流星さんとなら、怖くないのに。



むしろ緊張して、恥ずかしくて、だけど流星さんだからっていう安心感もあって。



今は、そんな感情抱けない。



涙が零れてゆくのがわかった。



〆．

08.→←06.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す