＿＿BlueRaven＿＿３ (ページ11)

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第百四羽ページ11

貴)…よし
これで、大丈夫…

傷口はふさがった。

でも…

ゆきは、目を閉じたまま。

目を覚まさない。

貴)ね…ゆき…？

雪)・・・

ぎゅぅっと、手を握った。

貴)起きて？
起きてよ…ｯ
一回。あと一回でいいからｯ…

その瞳を開けて見せて…？

最後の一回

だから、な？

ぽたり

一滴の涙が、ゆきの頬に落ちた。

雪)あ…

ゆきが、目を覚ました。

もう充分だ。

ありがとう。

じゃぁな。

タン

襖を閉じ、さっきいた部屋に戻った。

あたしの荷物も置いてあった。

ガチャ…

ふらつく重たい体を無理やり動かし、外に出た。

ア)・・・

ウォ)・・・

外には、アンディとウォルターの二人がいた。

貴)…戻るよ。

静かに頷き、あたしたちは歩き出した。

貴)疲れた。

ア)うん

貴)しばらく休んでいいかな。

ア)うん。

貴)おなかすいた。

ア)うん。

貴)なぁ

ア)うん。

貴)目から涙が溢れて止まらねぇ…

ア)・・・