＊坂道メンバーの弱り小説＊Part4

田村真佑・立ちくらみとかっきーと…《賀喜遥香》 ページ47

賀喜side.

9th year birthday live。
乃木坂初の無観客開催ライブ。


コロナ禍になって再認識したファンの方々の存在の大きさ。…現地入りした会場も、入ったすぐの椅子の置かれていない客席も。



すごく寂しくて。


コロナ対策でライブ中以外はマスク着用、くっつくのもNG。常に距離をとって、なかなかコミュニケーションも取りづらい。




だからかもしれない。
同期があんなに苦しんでる姿を見ることになったのは。


いつも甘えるくせに、弱っているときほど強がる。
分かってたのに…。




私よりも年上で、でも私より幼い印象で。
いつも笑顔で引っ付いてきてくれるのに。



なんで私気づかなかったんだろ…。













まゆたん。


…もっと頼ってくれても良かったのに。







田村side.


今日は乃木坂の9回目のお誕生日。無観客で開催されるライブは、いつもよりどこか活気がないようにも思う。


でも、ファンの人と触れ合えない今だから、いつも元気をくれるファンの皆さんへの恩返しでライブ頑張ろう！って思ったのに……。








朝から私のお腹に鈍痛が走る…。

そうなんです…。来ちゃいました…。



よりにもよって今日……。









いつもはそんなに重くないのに、ほんと、今日に限って全部が悪い方向に転ぶ。


痛み止め飲んで、カイロもお腹と腰と足と…いっぱい貼ったのに寒気は治まらないし…。お腹痛いから横になりたい…。



でも、ライブのリハは全然参加できてなかったから参加しないと…。



自分の体に鞭を打って動く。








うぅ……痛ぃ……。



乃木坂のメンバーは同性だし、言いやすいけど、コロナ禍という壁が立ちはだかる。基本、本番のライブ以外はくっつくのダメだし、しゃべるにも距離をとらなきゃいけない。




…こんなんじゃ誰にも言えないじゃん…。





ひたすら痛みに耐えて、やっと午前のリハが終わった。


お昼休憩で、楽屋にお弁当が置かれる。…ケータリングは残念ながら乾燥物、個包装のやつしかなくて、昼食はみんなお弁当。





ただ、お弁当なんてこんな状況で食べれるはずもなく、私は一人お手洗いに。






誰もいないトイレはすごく落ち着く…。

個室に入れば、さっきまで何ともなかったのに吐き気が出てきた。




今日…ライブなのに……泣。


部屋しゃがんで便器と睨めっこするけど、吐けない…。


気持ち悪いのに吐けないのが1番つらい…。

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