【BLEACH】空座決戦篇 II (ページ9)

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192.白い鯨ページ9

「柱が…壊された…!?」

檜佐木の乾いた声が、轟音に掻き消される。
彼の視界には、上から叩き崩され、天へ伸びる大量の砂埃。

白い柱は、どこにも見当たらない

「やられたのか!?一体誰が…」

「…い…」
「…一角……!!!」

吉良が問いを投げかけると、それに答える様に弓親が悲鳴ともとれる声でその名を叫ぶ。
とは言っても、それは気を失い倒れた本人に届きはしないが。

「…そんな……」

「バカな…」

掠れた声音。
龍の様に強く、戦いを好みその腕には定評があった一角が敗けたなんて、吉良や檜佐木は信じられなかった

徐々に砂埃が掻き消えていき、弓親がそれに相対する様にまた戦友の名を叫んだ。

「斑目が……」

「やられただと…!?」

日番谷や砕蜂も同じく、その敗けに驚愕する。
他の隊長格は声や態度には出さずとも、同じ境遇だった

『…まずは、一本』

やっと一本か、と言うのは言わないでおいた。
不毛な争いはしたくないと言うのがAの思考だ

何より、藍染のいない今現状を伝えられるのは部下であるAだけ…とは言っても、藍染は霊圧で悟ったりバラガンや他の十刃の表情で現状がわかってしまうから、誰が死のうと関係無いのだが。

そう独りで考えながら、戦況を見届けるA。
一瞬、その端正な唇が横へ歪んだ

※次は、ポウが黒縄天譴明王に潰された直後まで飛びます