219.虚の王国 ページ36
_____ドォン!!!
轟音と共に、遠くで巨大な影が崩れ落ちる。
「何だ!?」
「ガガメルがやられた!!」
「…ほう?」
バラガンは思わず感嘆の声を漏らす。どうやらあのガガメルとやらは、かなりの手練れだったらしい。
それを
だが、自分の目の前に現れた“それ”は、白い着物を羽織った三人の男と、一人の女。
茶髪の髪をした男を筆頭に、瞬歩で自分らの領域を侵した
「な……何だ貴様等ァっ!?」
巨大な虚が襲いかかる。しかし、それは瞬殺された。筆頭格らしき男の隣にいた、褐色の肌をした男が一瞬で虚を一刀両断にしたのだ
「…お初にお目にかかる。君が、虚圏の王だね」
「如何にも。そう言うお前等は何者だ?仮面の無いところを見ると、虚じゃアないな」
「人間か?それとも死神か?」
その言葉の瞬間、射抜くような冷徹な視線が、バラガンに向けられる。
どちらも違うと言うことか。そうバラガンは受け取った。だが、それは彼にとって、蟻が踏み潰されるくらいどうでも良いこと
「…フン、まあどちらでもいい。丁度退屈しておったところだ。お前等が今日現れなければ、儂は自らの軍を二つに割って、殺し合わせようと思っておった」
「取り敢えずは“ようこそ”と言っておこうか」
「ようこそ我が城、『虚夜宮』へ」
「面白いな」
「屋根も壁も無いこの場所が“城”か。虚圏の王は冗談を好むと見える」
「屋根など要らぬ。王である儂にとって、この虚圏の空の全てが我が城の屋根だ」
「止すんだ要。口喧嘩などつまらない事だよ」
険悪になりかけた二人を、筆頭格の男が仲裁する。
男がすぐに大人しくなったのを見ると、その男は普段から、かなりの影響力と統率力を持ち合わせているらしい
「そんな事より話をしよう、虚圏の王。僕の刀を見てくれないか」
「この」
「『鏡花水月』を」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 364人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：EGOIST | 作成日時：2016年10月25日 18時
