【BLEACH】空座決戦篇 II (ページ26)

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209.怠惰の黒い雨ページ26

「_________鎖せ」

「黒翼大魔(ムルシエラゴ)」

ウルキオラの言霊の瞬間、弾け飛んだ黒い何か。

溢れ出た水や土砂降りの雨の様に降り注ぐそれは、
彼の霊圧の一部なのかもしれない

ーーー雨が止む。

白い塔の上には、三日月を両断する巨大な翼があった。夜に浮かぶ黒く邪悪なその姿は、

_____人に災厄をもたらす悪魔に、とてもよく似ている

「動揺するなよ」

「!」

「構えを崩すな。意識を張り巡らせろ。一瞬も気を緩めるな」

ウルキオラの手に、白い光の筋が現れる。
すると、一瞬で視界にあった夜が消えた

目の前には、悪魔の翼を携えたウルキオラの顔。

ドン!!!!!!!!

首筋に、ひやりとしたものが当たった。

それが、凶器だったのかはわからない。ただ、それが首に添えられた瞬間、死ぬ。そう思った

先ほどの技で、白い塔、砂、周りにあったものが全て消し飛んだ。膝をつくと、紅い血が、次々と垂れ落ちる

「…反射的に月牙を出したか…」
「…賢明な判断だ」

「そうしていなければなら今頃、」
「貴様の首は俺の足許にあった」

仮面が、半分割れた。いや、欠けたと言ったほうが正しいか

「…ッ」

息が上がる。仮面が割れ露わになった右半分の顔が、外の冷たい冷気に晒された

_____欠けた仮面が、床に叩きつけられる音が聴こえる。それは、遠くで空虚な音を立てながら、暗闇に消えていった