201.四ヶ月前と今 ページ18
「…雛森……!!」
白煙の中から、一房の黒髪を風に揺らした雛森が現れた。左腕には、五番隊の副官章。
「あんた…もう平気なの…?」
「…はい」
ふと、雛森の副官章に目を向ける。つい四ヶ月前までは彼女にとって何よりの誇りであり、尊敬した上司との繋がりを示すものであった“それ”。
今となっては、あの苦い思い出を指すものでしかない_____…
「心配しないで、乱菊さん」
不安が過った乱菊の脳内に、雛森の声が彼女の考えを察した様に飛び込んでくる
「あたしは確かに五番隊副隊長として、副官章をつけてここへ来ました…でもそれは、“五番隊の隊員たちをあずかる者として”という意味です」
「“藍染隊長の部下として”じゃありません」
あの人はもう、尸魂界の敵だから。後にそう付け足した雛森に、乱菊は小さく頷く。
雛森からしたらそれは一見、自分を信頼してくれた証だと思うだろう
「…そうね、わかってるならいいわ」
「(……雛森…)」
「行くわよ!」
「(気付いてるか知らないけど、あなた今)」
「はい!」
「(藍染“隊長”って言ったのよ)」
乱菊の胸を、嫌な予感が過る。
雛森は今、無意識に反逆者の頭角である彼を隊長呼びしていた。
「_____気をつけるのよ、雛森」
聞こえないだろう、だが強い声音で、乱菊は言った。その言葉に込められた考えが、実現しないことを祈って。
.
「終わったかァ?つまんねえお喋りはよ」
「!!」
飛梅の爆煙から円状の輪っかの様なものが飛び出してくる。そしてそれは、勢いよく乱菊と雛森の元へ向かって来た
「飛梅!!」
すると、すんでのところで乱菊が灰猫の灰を盾にそれを防ぐ。そして、跳ね返った輪っかを雛森が即座に飛梅で爆破した
_____ように見えたが、爆煙の中から現れたそれは一部が欠けてはいたものの、前の勢いを失ってはいなかった。煙を纏いながら、持ち主の元へ戻る。
※三人が帰刃した直後に飛びます。
↑のマークがあれば、何かしら話が何話か飛びますのでご了承下さい(早く藍染と闘わせたいなあ)
202.絞首刑執行人→←200.傷付くことは、わかっているのに。
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作者名：EGOIST | 作成日時：2016年10月25日 18時
