【BLEACH】空座決戦篇 II (ページ1)

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184.黒く覆われた死ページ1

「おっ」

「どうした市丸」

目の前で高く燃え盛る炎の壁を見て、市丸が声を漏らす。不思議に思った東仙が、すかさず問いかけた

「いやあ、なんやえらい…イヅルが怒ってるなぁ思て…」

「心配か?棄てて来た部下が」

「いやあ…」
「元気そうで、何よりや」

目を細め、口が横に歪む。
その横顔は、正に蛇を思わせた

狙った獲物は逃がさない。捕まえたら、逃げる隙など与えないくらいに縛り上げ、食らい溶かす

東仙はその笑顔に不気味さを覚えながらも、目の前に立つただ一人の上司ーーー藍染に目を向けた

.

「…言ったでしょ」
「“終わりよ”って、」

クールホーンの足元から、漆黒の荊が伸びてゆく。
それは物凄い勢いで根を張り、空中へ飛び出した

クールホーンに服の襟元を掴まれ、持ち上げられた弓親は、何も言わない。抵抗する力も、刀を握り直す気力も、最早何も残っていなかった

「プリンセスはわがままなの。あたしが終わりって言ったら、終わりなのよ」

闇の世界に覆われる。
いや、正確には漆黒の荊にだ

陽の光も届かないほど密集した荊の世界には、ただ一輪、孤独に咲き誇る白薔薇が現れる

「…何だ…これは……」

「“白薔薇ノ形”(ロサ・ブランカ)」
「私の最も美しく、最も残酷な技よ」

「この黒く覆われた荊の中で、あなたは誰にも見られる事無く、白い花弁に包まれ死んでいくのよ」