spade joker 【兄弟スレ】 (ページ6)

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俺は一瞬どういう事かわからなかった

だが答えはすぐに出た

俺と始と春真はアンデッドだ

アンデッド同士であれば近くに来れば寝ていようが気配に気付く

よって血を取られる前に気付く筈だ

だが俺はそんな気配を感じた事はないし

始からそんな話は聞いていない

…………何より誰よりも人を大切にしている春真が人の血を勝手に取るなんて事は絶対にしない…

なら…答えは一つだ

一「春真…起きろ！」

春「うーん……一真……？ふわー…どうしたんだ？…いきな「これはどういうことだ！」」

俺は春真の話をなかば無理矢理遮り血液が入った試験管を目の前に突きつけた

春「それは………………」

一「春真は誰かの物を取ったことは無かった
それはお前がそこにあるものの大切さを知っているから」

〜失う悲しみは全てに共通だから〜

一「…………お前は誰かを傷付けるような事はしない……だからこれはお前の血なんだろ…………でもどうしてこんな事……」

春「………………」

春真は俯いて黙っていた

一「話してくれないか？」

春「……………………私には……これしか出来ないから…………」

一「え？」

春「私はお前を人間に戻してやりたい……始も人間にしてやりたい……二人には永遠の苦しみを味わってほしくはない………私はあの兄弟達が生きている間にお前達を人間にしてやりたい……」

一「じゃあ……この血は……」

春「私は全てのアンデッドと融合した存在……いわば異質だ……私の細胞を人間にする事が出来ればお前達を人間にする事も出来るはずだ」

一「じゃあ春真も！「私は！」」

春「この場所で兄弟を守り続けたい……弟と共に永遠を生きてお前達が守ったこの世界をずっと守っていたい………たとえ一人になったとしても……それに私はもう戻れない

私は人間の遺伝子を全てアンデッドに変換させてしまった

私のこの実験は僅かに残っている人間の細胞を増幅させると同時にアンデッドの細胞だけを死滅させる実験だ

私にはもう人の細胞は残っていない」

一「そんな…………」

信じられなかった

信じたくはなかった

でも諦めたくは無かった……

一「それでも俺は春真と…始と一緒に戻りたい」

春「！」

一「どうせ戻るなら三人一緒の方がいい…どうせなら欲張った方がいいだろ？」

春「でももう私は……」

一「俺は…運命と戦ったんだ……春真だって運命と戦う事が出来るはずだ」

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