26話 ページ28
はて。どうしたものか…
この世で一番理不尽なのは神様だと確信する。
『いっつつ……』
「チヒロ！」
『シエル君……？』
「おーおー。おじょーちゃんも起きたか。」
『……(体が動かない…縛られてるのか。』
ひんやりとした冷たい床の上で目を覚ます。
目の前には血塗れな上身体を拘束されたシエル君。
視界の斜め端には知らない男の人。
動かない、シエル君と同じように縛られた身体。
本当に世界っていうのは私に優しくないものだ。
確か、今日は夜に夜会を開くとシエル君が言っていた。
屋敷内にネズミが出現してバタバタしていた中、シエル君が資料を読む傍らの暇つぶしとして私に話し相手をしてくれと部屋に呼び出され…。
そこからの記憶がない。
つまり、そういうことだ。
この状況、確実によろしくないことだけは理解している。
『大丈夫ですか？』
「僕は平気だ。それよりお前…」
『あぁ。…私なら大丈夫ですよ。』
傷だらけのはずなのに私の身を心配するシエル君に、にこりと笑う。
身体は縛られてる上に力の入らない足。
今の私は床に這いつくばっているしかないというなんとも無様な姿。
「シエル君を傷つけたのは貴方ですか？」
「あ？何だお前。…確か車椅子に乗ってた召使だよな。」
『私の質問にお答えくださいな。』
「うっせえな糞ガキがよ！」
『ぐっ、』
「チヒロ！！」
動けないことをいいことに迷いのない蹴りを思い切り食らう。
流石に痛い。
『大丈夫ですよ。』
痛みに慣れてるわけじゃない。
だが、今シエル君に必要以上の心配をかけまいと無理をしてでも笑顔を作る。
一体全体、どうしてこうなったのだ、
「直にセバスチャンが来る。安心しろ。」
『そう、ですか。』
そりゃ下手に警察とかが来るより安心だ。と内心思う。
「…帰ったら少し話がある。巻き込んでしまった責任があるから、聞いてほしい。」
それは、今この状況が何故起きてるかという話だろうか。
元々あまり詮索はしないが、彼の仕事ぶりなんかはあまり目にしない。
仕事のときは基本あまり人を近寄らせない雰囲気だから。
外に行くときも大体はセバスチャンさんとだし、使用人とはほぼ名ばかりだ。
『わかりました。』
私は静かに頷いた。
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お餅 - 執筆意欲無くされてしまいましたか？残念です。 (6月30日 21時) (
レス) id: ed46a196c0 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 無理強いではありませんが、続きよみたいです。 (6月30日 20時) (レス) @page47 id: ed46a196c0 (このIDを非表示/違反報告)
お餅 - 来春更新……、からもう三回目春が終わってしまいましたね… (6月30日 20時) (レス) @page47 id: ed46a196c0 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (5月29日 22時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 葬儀屋の嫉妬というか夢主ちゃんに対する執着心が上手く表されており、読んでいて凄く楽しかったです！とても好きな作品なので更新再開楽しみに待っております。 (2022年8月4日 15時) (レス) @page47 id: a995b7f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔夜 | 作成日時：2018年2月13日 9時
