BLACK SNOW VI

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目黒side ▽
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俺が気付いてないとでも思ってるのだろうか


最近、はるちゃんのスマホが震える度に
表示されている名前が男の名前なこと
鈍感な俺でもさすがに気が付いている


浮気…なんてそんなこと考えたくないけれど
分かりやすくその名前が出る話題はしてくれないし


さっきはるちゃんがお風呂に入ってる間に
震えた彼女のスマホにははっきりと
クリスマスの誘いの連絡が来ていた


わざと出かけないの？と聞いても
出かけないと言い張る彼女


浮気じゃないと言うのなら
そうはっきりと言って欲しかった



都合が悪くなって逃げようとするはるちゃんの腕を
掴んでベッドに戻したはいいが
なんと言ったらいいか分からず俯く


「はるちゃんがイライラする意味が分からないんだけど」

はる『は？』

はるちゃんの口から、は？なんて初めて聞いた

こんなに分かりやすくイライラしてるのに
なんで何も言ってくれないんだろう

男のことを隠されてイライラしたいのはこっちなのに。


「なに？俺が悪いの？」

はる『何の話してるの？』

「なんでそんなしらばっくれんの？意味分かんないんだけど」

はる『こっちの方が意味分かんない』

その言葉と共に掴んだ腕を振り切られて
自分でも信じられないくらいむかついてしまった


「わかった、もういい」

ベッドから起き上がるとスマホと
適当に掛けていた上着と財布だけ持って玄関に向かう



追いかけてきてくれるかも、なんて
淡い期待をしたけれど

はるちゃんが寝室から出てくる様子はなくて
そのまま家を後にした



「もしもし？あ、ごめん、ちょっと今日だけ泊めてくれない？」

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