特別室 ページ6
特別室は豪華な病室だった。ここが大豪邸の寝室と言われても納得しただろう。
部屋の奥にある大きなベッドには痩せ細った老人が横たわっている。周りにあるのは生命維持装置だろう。老人はそれら全てのチューブと繋がっていた。
「マジかよ、」
その老人の胸から下は何も無かった。
「・・・・・・」
思わずその場でへたり込んでしまう。
すると、老人がパチリと目を開けた。まるで俺のことが見えていないかのようにうわ言を繰り返す。
「死にたくない、わしはまだ死にたくない、何でもするからわしをもっと・・・・・・!」
こいつもうダメだろ。
「情報を話せ」
「ああ、心配するでない、この部屋は持っていかれないから安全だ」
なるほど。逆を言えば、ここ以外は危険だというわけか。安全な場所を知り、そこに居るなら少なくとも黒幕に近い存在だろう。
生命維持装置のチューブに手をかけるが、ブラックエッグと同じように動かない。ダメか。
「『持っていかれる』なあ。囲まれてる部分持ってかれそうだな・・・・・・」
・・・・・・待て。いつ持ってかれるんだ? あの辺は出来るだけ近づかないほうが良いな。
じゃあ190は? 大丈夫なのか?
「・・・・・・・・・・・・普通に生き残りそうだな」
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作者名:上下水道 | 作成日時:2023年9月23日 0時