治療室 ページ4
入ると、患者の治療が行われる部屋が並んでいる。奥の手術室には手術中の表示が灯っていたがドアは開いたままだ。
顔を見合わせ、ゆっくり進む。
ぐちゃぐちゃ。どうやっても嫌な想像しかできない音に足がすくむ。
「･･････！」
中を除けばそこは地獄だった。
頭と体が分割された死体がいくつも転がり、床は血の海のようだった。血生臭い匂いが急に漂ってくる。
手術台の前には白衣･･････赤黒いけど、それを着た医師が背を向けて立っていた。
手術台の上には青白い光る棒が2本。
そのうちの1本を手に取り、医師は患者の頭だったものを2つに切断した。
「嘘だろ･･････」
「キモイキモイキモイ」
切断した瞬間、青白い棒は粉々に砕け散った。床には人の頭の数だけ青白く光る粉が舞っている。
医者が懇願するように言った。
「あのお方の脳摘出の技術はなんて素晴らしいのだろう、君の脳でも試させてくれないか？ 大丈夫、スパッと切ってあげるから。痛くないはずだ」
この世ならざる光る棒を見て、190が言った。
「ライトセーバー！？」
そこかよ。
まあ缶も渡したし、戦闘において何も問題はないだろう。
「普通に格闘で勝てないかな？」
「おい待て」
「顔面パンチ行きます」
瞬殺。医者の顔面に拳がめり込んだ。
医者は手術台を超えて血みどろの床へ落下した。
「俺ジャイアンパンチ初めて見たよ･･････」
190が医者の持っていた棒に近づく。
「あ、これメスか」
「人も簡単に切れてたし、一回使うと壊れるっぽいから気をつけな」
『特別室』の表記を見つけ、ドアに近寄るが、開かない。
「ここのドアだけハイテクっすね」
「カードキーで開くタイプか･･････とりあえず、向こうの組と合流しよう」
手術台の下を覗き込む。
あ、これ。
「ブラックエッグじゃん」
もしや。
「おい、メス寄越せ」
「嫌です」
「ちょっと渡せ」
「嫌です、絶対に渡しません」
「貸して」
「･･････渡します･･････」
「はいはいはい納得ね」
いける。
ブラックエッグ切断できる。
「おりゃ！」
「･･････！？ 天才！？」
全力で190が驚く。小気味良い。
「うーん、大丈夫かな？ 壊しちゃったけど」
「ガチ天才じゃんでも！」
任せろ俺に！ なんて騒いでいると、隣の部屋から声がかかる。
「･･････すごい音聞こえたけど大丈夫？」
「医師が吹っ飛んだ音」
「嘘だろ」
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作者名：上下水道 | 作成日時：2023年9月23日 0時
