エレベーターホール ページ3
廊下に出ると、190は患者の乗った担架を端に寄せて行った。彼を追うと、照明の落とされたエレベーターホールがあった。エレベーターの階数表示のランプすらも消えていて、エレベーターは動いていないのだと想像できる。
「なんか聞こえる・・・・・・喫茶室か?」
190の言うように、大勢のうめき声が響いてくる。鍵は閉められているようだが、絶対に誰かいる。ホールが薄暗いので、余計に怖く感じる。
俺はホラー耐性がないんだ・・・・・・。
「あそこは一旦置いときましょうか」
「それが良いっすよ」
会話を聞き流しつつ周りを観察。
エレベーターの横に貼られた図面の内容を読み上げる。
「SERa総合病院、案内図」
エレベーターホールからは事務室、治療室に行ける。さらに、事務室からは倉庫、治療室からは特別室に行けるらしい。
気づけば全員が覗き込んでいた。
「二手に別れましょうかね?」
「そうだなアラサー、『もうすぐあの方が来る』って言ってたわけだ。時間はそんなにない」
「アラッ・・・・・・」
アラサーが処理落ちした。
そんな彼を置いて、190が言った。
「特別室ってのが気になるから治療室に行こうかな」
「・・・・・・・・・・・・事務室へ向かいます」
やっとアラサーが再起動。
呑気にコーラが言う。
「倉庫行きたくなってきたな〜」
「じゃあ俺は特別室か・・・・・・催涙スプレーは持っとくけど、なんかあったら大声で呼べ」
「了解、見つけたものは随時大声で報告します」
「大声はやめとけ」
「はい」
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作者名:上下水道 | 作成日時:2023年9月23日 0時