5話 ページ6
黒尾からジャージを譲り受け羽織る。
先程まで来ていたからだろうか温もりと黒尾の匂いを感じる。
「あ、臭くねぇよな？」
「大丈夫……」
「クロ……」
「いやだって……俺、それ使ってバレーしてたし……」
「わかってるから。でも……近すぎ…」
「ん？いつもこんなもんだろ？」
A、クロは本当に何も分かってないようだ。
君の心臓が持つかの方が心配だよ。
そう言いながら帰路を進む。
Aはすごいよ
無理ゲーなのに攻略しようとしている。
クロみたいに乙女心わかるみたいな顔して全く分からない人間攻略しようとしてるんだから。
クロの家の前まで着き、Aはクロへ、ジャージを返す。
「いや、明日でもいいんだぞ」
「だって家すぐそこだし」
「でも…」
「いいの！ありがと……」
Aの精一杯の返事とジャージを脱いで返す。
「じゃ、クロまた明日」
「おう…朝練でな。Aは大丈夫だぞ？マネの仕事は無いし、選手の練習だけだからな」
「朝起きるの嫌なんだけど」
「そんなこと言うんじゃありません。明日だって学校でしょうが」
「めんどくさい…」
「研磨はゲームが一番だもんね」
「うん…」
「研磨に付き合えるほどゲーム上手くないしね」
「そうだね。マリカでスタートダッシュ上手いくせに気づいたらスター音響かせてるじゃん」
「道に迷うの……！」
「まっすぐじゃん」
「入り組んでるじゃん」
「ほらほら、２人ともやめなさい。研磨は朝練くること。Aは、明日も部活でな」
そう頭を撫でられた。
続く
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作者名：神威の子 | 作成日時：2024年3月17日 22時
