4話 ページ5
練習後、一通り部員全員から挨拶をされる。
「A!研磨!着替え終わったら、校門前な!」
「え?彼氏?」
「違うよ。あれは素……。ほら、着替えに行くよ。リエーフ」
「素……?」
恋愛観と言ってもいいのか分からないものを見せられ、高校生ってこんな感じなのでは?とよく分からないがそういう研磨。
早くゲームがしたい。
クロはAのこと本当にどう思ってるの?
Aは可愛いと言う割になんか、踏み込んでこないというか…。
ギャルゲーとかすれば分かるかな……。
いや、俺がわかったところで意味ないんだよな。
もうわかってる事だし。
着替え終え、校門前で待つA。
「寒くねぇか?お嬢さん?」
「大丈夫…」
「研磨はもう少し待ってくれ、リエーフに絡まれて着替え遅れてんだ」
「大丈夫だよ」
「そうか?それより、ありがとな?部活入ってくれて」
「いいんだよ……。でも、私でよかった?私、多分、バレーのルールもあまりよくわかってないよ?」
「構わねぇよ。俺がまた教えてやるから」
「ほんと…?」
「ほんとですよ?俺を信じて」
黒尾との時間が増えると静かに喜びを感じながら嬉しそうにするA。
「うっわ………」
「遅かったじゃねぇか研磨」
「うん……ごめん…帰ろうよ」
「そうだな」
3人で家の方向へ歩いていく。
先程までのやり取りがなんとなく聞こえてきた。
クロは何と考えずにきっと発言して、Aはそれを何も考えてないとは思わず嬉しそうにしてる。 可哀想すぎてどうしよう……。
ひとりで頭を悩ませる研磨は、考えるのを放棄しようかと考えていた。
ヒューっと冷たい風が吹く。
「寒っ……もうやなんだけど…放課後寒すぎ!」
「確かに寒いね…」
「A。寒いのか?ジャージ貸すか?あ、でもさっきまで使ってたから汗臭くねぇかな」
「えっ?」
何このイベント……。Aびっくりしてんじゃん。
「家帰るまでのあいだだけ着ときなさい。女の子が風邪ひいたら大変でしょうが」
これ、またAがクロを好きになる……。クロはただ風が冷たいからそうしただけなのに。
Aが報われるイベント無いかなほんと。
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神威の子 | 作成日時:2024年3月17日 22時