月下の魔法騎士は転生者 【ブラック・クローバー】 3

番外編　月下の野薔薇姫の不思議な三日間　その１５ ページ20

「へぇー、フィンラルって貴族の出なんだ。そして金色の夜明け副団長、ランギルスのお兄さんだったんだ」
「まぁ、異母兄弟なんですけどね。それに俺あんまり家に居場所なくて」


　弟の方が優秀で、と語るフィンラルに「へー」と返す。


「ウチは攻撃空間魔法の名門貴族で、弟はバンバン攻撃魔法するんですけど、俺あんま喧嘩とか好きじゃないし」
「それはわかる」
「あははー、で、弟とよく比較されてたんスよ。次のヴォード家の当主はアイツですよ」
「フィンラルはそれでいいの？」
「えぇ、俺も俺よりアイツのほうがふさわしいと思ってますから」
「ふーん」
「片方は金色の夜明け団副団長、片方は黒の暴牛の足ですよ」
「ランギルスくんねー、副団長同士なんどか会ったことあるけど彼の魔法は確かにすごい」
「ですよね」
「でも私はフィンラルの魔法もすごいと思う」
「え・・・」
「ランギルスくん、雑なんだよねどこか。あれでしょ、例えば建物消してもまた誰かに造り直させればいいとか、民の犠牲は仕方ないとか考える人だ」
「・・・・(すごい、当たってる)」
「フィンラルくんはそんなことしないでよ」
「えっ、あ、はい」
「フィンラルくんの空間魔法は正確さがある。多分、他にもいっぱいいいところはあると思うけどあんまり私フィンラルくんの魔法を多く見てないからね。こんなことしか言えないや」
「い、いえ・・・・」
「空間魔法は確かに強力な魔法だけど、一人では良さを引き出せない。君の魔法は仲間の為にこその魔法だ。仲間の存在で君はまた強くなれるよ」
「・・・・なんでそんなことわかるんですか？」
「ん？それはね」


　フィンラルがAの瞳を見る。すると片方の目に星が浮かんでいる。と、その時。

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