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そして出産当日
陣痛が来てしばらく
それを自覚した僕は
ヒョンと車に乗って
病院へ向かい
すぐに分娩する為の部屋に入った
ヒョンはしばらく
消毒やマスク、医療用の服を着て
中に入ってきた
A｢テヒョンア！｣
｢ぅっ、ぐっぅぅっ、ぅ"っ｣
助産師さん達の誘導で
僕の隣に来たヒョンは
力強く手を握ってくれた
その瞬間
何だか色々な事が
頭の中を過った
初めて会った時のヒョン
作業着にタンクトップで
工事現場ではあまり見ない若者で
かっこよくて
体が痺れた感覚は忘れられないだろう
それから毎日会いに行って
冷たくされても
垣間見える優しさが
更に好きを加速させて
気持ちが通じて
両思いになれた時は
本当に人生で一番幸せだった
それなのに
これからもっと幸せになれるなんて
こんなことあるんだって
ヒョンと過ごしいる度に
そう思ってきたんだ
ねぇ、ヒョン
僕、もっと幸せになれるって
凄いことだよね…
もしかして僕は
世界一幸せな人なのかな…
〈はいテヒョンさん！力んでー！〉
〈力入れて〜！！〉
｢ん"ぅぅあああああ"っはぁ"っ｣
痛くて熱くて
本当に死んじゃいそうで
目をぎゅっと瞑って
何度も呼吸と力みを繰り返して
疲れてきて
本当にもう…怖くて痛い
A｢テヒョンア
俺がそばにいるよ
大丈夫、ゆっくりでいいから
呼吸して、力入れて、頑張れ…っ｣
名前を呼ばれて目を開けると
少し焦っているヒョンの顔
だけど目がちゃんと合うと
優しく笑ってくれる
A｢応援しか出来ないのは辛いけど
でも、そばにいるから、な？｣
｢っ、ぅっんっ｣
A｢ほら、あと少しっ｣
｢ん"っぅぅぅううう"っっ｣
〈あと少しですよ〜！！〉
〈そうそう！〉
〈あと一息〜！！！〉
それらの言葉に
力を振り絞って
力が抜けて
ヒョンのハッとしたような顔が
自分の目に映った瞬間
？？｢ぅあ"〜〜ぁぅ〜っぁっ｣
まるで鶴の一声のような
一瞬で愛おしいと思えるような
可愛い泣き声が聞こえた
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作者名：BINA
| 作成日時：2024年2月22日 5時
