苦しい過去を乗り越えてーREMEMBERー

. ページ46

.





僕は、想像ができない


ユンギが居なくなるなんて

この街に住んでても
半永久的に会えないなんて


僕には耐えられない



だから、苦しくて仕方ない



僕はAに何もしてやれないのが不甲斐なくて


涙が止まらないんだ




YG｢ゆっくり、Aを励まして行きましょう、ね｣



｢ぅんっ｣




その夜ユンギの胸の中で眠った僕は


朝起きて頭を切りかえて

Aにいつものように抱きつきに行った




｢おはよぉ〜Aっ｣


A｢ふ、ジニヒョン
相変わらず元気だね｣


｢ちゃんとご飯食べた〜？｣


A｢んー、あんま
なんか腹へんないんだよね｣


なんてぽけっと呟くAには

大きな隈があって、顔色も悪かった




｢A…｣


A｢ん？何その顔｣



それはこっちのセリフなのにな…



A｢なんかあったなら
ちゃんとユンギヒョンに相談しなよ｣



そう言って僕のことを撫でると

そそくさと自分のデスクへ向かうA


子供達が来ると

いつもと変わらず笑顔になるAだけど



一日


一週間


一ヶ月



そうやって時間が過ぎていくと


Aの様子ももっとおかしくなっていった




A｢ぉっ、｣


変なところで躓いたり

ふらっとよろけたり



僕やユンギが支えると

あ、ごめん、とか言ってすぐ戻るし


声をかけようとしても


笑って誤魔化されるだけだった




僕のこと、頼ってよ


なんて言ってもAは頼らない



だけど、少しくらい

肩を貸すとか
抱きしめてあげるくらいできるのに




YG｢ジニヒョン…｣


｢ユンギ…｣



僕が思い悩んでいると

すぐ気づいて抱きしめてくれるユンギ


はぁ


やっぱり




ユンギが大好きだ



ユンギが一番の安定剤






分かってるよ…





Aの安定剤は、ホソガだけなんだ



代用なんて


誰にも出来ないんだ






そう、思っては


Aを戻したい

どうにか元気にしてあげたい



そうやって何とか頑張っていたある日



Aが倒れそうになって


また僕が支えた



そこは誰もいない部屋だったから

丁度いいと思ってそのまま話をした



｢A〜…
辛かったら頼って…
大丈夫だよ…僕らがいる…｣


そう言ってそのままAを抱きしめる



ふと部屋の外に人影が見えて

目が合うと、頷いて去っていくのはユンギ


僕も頷いて、何とかAを休ませようと声をかけ続けた






.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す