苦しい過去を乗り越えてーREMEMBERー

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｢僕はもう、番じゃないの？｣


A｢は？｣


｢あの後横田くんと何したのっ｣


A｢見てたのかっ？｣


｢何っ、何してたのっ
だからやだったのっ
Ωばかりの会社でヒョンがうろつくのがやだったっ｣


A｢テヒョンア、落ち着け
俺は｣

｢やだっ
口の中血の味がしたっ
ヒョン噛んだんでしょっ
僕以外の項噛んだんだっ！！｣


A｢噛んでないってっ
ヒートだったから医務室まで連れてっただけで｣


｢じゃあ何でこんなに時間がかかったのっ
そのキスマークはなんなのっ
服も乱れてたっ
嘘つかないでよっヒョンの嘘つきっ！！｣


A｢嘘ついてないって言ってんだろ
テヒョンア、話聞いて
ちゃんと説明するから｣


｢やだっ、聞きたくないっ！！！｣


A｢テヒョンア｣

｢やだっ
嘘つきっ
嫌いっ
ヒョンなんて嫌いっ！！｣


A｢聞けよ！！！｣




肩を鷲掴みされて


驚いて上を見ると



眉間に皺を寄せたヒョンがいた




怒った顔



見たことが無かったし


大きな声に体がすくんで




怖くて仕方なかった




｢っ……｣


A｢ぁ……悪い…｣


｢っ｣


A｢少し出る……｣








｢そう、やって
言い訳もしないで、出ていくの……？｣


A｢言い訳って……
聞かないのはお前だろ｣


｢僕はもういらないって
言えばいいのに……｣


A｢俺はお前だけだって｣


｢嘘だっ｣


A｢だから嘘じゃっ｣



｢っ、ぁぅっ｣




出ていこうとしたヒョンが


こっちを振り返った時



体がゾクゾクと逆だった






ヒートだ






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