苦しい過去を乗り越えてーREMEMBERー

【好きに】いつまでも拭えないもの ページ13

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A｢ちょっと、下行ってくる｣


｢ぁ、はいっ｣




ついて行きそうになる体を戻して


俯いて仕事に戻る



番になってから数ヶ月


僕はやっぱり

ずっと拭えない不安がある





それは、ヒョンがこの会社で部署に行くたびに感じている


だって、ヒョンはα



そして、社内の過半数がΩなんだから


いつ、ヒョンが襲われる、または襲ってしまうか分からない



それがずっと不安で仕方なかった




番だから、大丈夫じゃん




そう、ジミナには言われたけど


でももし、ヒョンが他の人のヒートにやられて

その子の首を噛んでしまったら


僕は強制的に番を解消され

二度と誰かの番になることも
ヒョンの番に戻ることも出来なくなってしまう



そんなニュースをたまによく聞くんだ



強制的に解消されたΩが


自ら命を絶つニュースを





だから怖いんだ


ヒョンがそんな事する人じゃないって分かってる




だけど、でも……




本能には抗えないことがあるって



僕も身に染みて感じているから





だから、ヒョンが出ていったあと



こっそりヒョンについて行くのを


許して欲しいなって思う





A｢パクさんいる〜？｣


〈はーい！
代理！〉




今日は営業部に来てるんだ…



〈なにかご用ですか？〉


A｢書類、大事なものだから直接渡したくて｣


〈あー！これですね！〉


A｢宜しくね｣


〈はい！わざわざありがとうございます！〉



《韓国語聞き慣れてきたな〜》


《最初は韓国の人だぁなんて思ったけどね笑》


A『韓国語の方がスムーズに話せるから笑
韓国語通じる人には自然と話しちゃうんだよ
違和感あったらごめんね』


《いえいえ！
日本語もネイティブ並ですよ！》


《たまにじゃ、とかじょとか言ってると可愛いなって思いますけどね〜》


A『やめてよ、恥ずかしい笑』




仲良さそうに話してるだけ……か



大丈夫だよね……







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