苦しい過去を乗り越えてーREMEMBERー

【一切赤糸】僕らの始まりはいつも ページ1

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A｢はぁ〜〜あちぃなぁ｣


｢だね〜…｣


A｢ごめんエアコンぶっ壊れてて｣


｢いいよ全然笑｣





ある夏の何でもない日




高校一年生の夏休みを


二人でいつものように集まって



Aの部屋でのんびりと過ごしていた




小さい頃からずっと一緒で



何をするにも


何処に行くにも



全部一緒だった




そんなAの存在が


僕には欠かせないもので



両親から日々圧力と期待を受ける僕の


唯一の逃げ場で

安心できる場所だった




その日もAの部屋で


ぼーっと時間を過ごして



たまに宿題をして


たまにゲームをして



隣にいるAに


そっと触れた体に

ドキッとする感覚に慣れずにいた



この気持ちは何なんだろうなぁ



なんて思いながら


Aの体に寄りかかって

そのドキドキを持て余してた



幼馴染で親友


僕らに、それより先の関係なんて

あるのかな、なんて思ってた





A｢せめて扇風機出すかぁ…｣




寄りかかっていたAが動いて


離れた温もりに、夏なのに寂しくなる





A｢あ"〜〜良い｣


｢ふふ、あ"〜〜｣



扇風機に向かって声を出しながら


靡く髪に涼しさを感じていた時




Aがベッドに寄りかかって



ふぅと息を吐いた




僕も寄りかかってAを見る




A｢ジミナ〜｣


｢んー？｣


A｢俺ら、いつまで一緒にいられると思う？｣


｢え？｣



斜め上を向いて呟くAは


高一とは思えないほど大人びた顔をしてた



A｢どう思う？｣



そう言って僕の手に手を重ねるから


ドキッとした



｢僕は、ずっといたいよ、Aと｣



嘘をつかずに正直に応えると


Aは笑った




A｢それ、勘違いしてもいい？｣



｢え？｣




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