無償の優しさと愛を【JM】 (ページ42)

今日:25 hit、昨日:72 hit、合計:61,348 hit

42 ページ42

.

ココアを飲み終わったら

だんだん眠くなってきて

寝てていいよと言う彼に甘えて

そのままソファで寝てしまった

A｢迎えに来ようか？｣

｢いい……｣

あの後起こしてもらって

夜中にバイト前まで送って貰う

｢君の車……？｣

A｢うん、多分｣

｢多分…？｣

A｢親父が俺にって
貸してくれたのか、くれたのか分からない｣

｢お父さんって｣

A｢社長だよ｣

｢へぇ……｣

バイトもしないで

親のお金で遊べるのか
羨ましいな

なんて睨むと

何？笑と笑う彼の笑顔に

そんなことする人じゃないかと考え直す

｢バイトとか、してるの｣

A｢親父の仕事手伝ってるよ｣

｢あぁ……｣

じゃあ将来

何不自由なく暮らせそうだな

A｢ほら、早く入りな
風邪引いちゃう｣

｢うん……ぁの…………｣

A｢？｣

｢あり、がとう……｣

A｢う、ん……｣

僕がぎこちなかったからか

呆気に取られる彼

いや、僕がお礼を言うのが珍しいからか

僕も、生まれて初めてお礼言ったな……

恥ずかしくなって

すぐにバイト先に入った

その後は波に飲まれるようにバイトをしたから

あまり考えずに済んで

今日は人間として暮らせて

なんだか安心した

僕も人間みたいに暮らせるんだなって

所詮道具でモノである僕は

これからも将来に不安を抱いて生きていく

そもそも将来があるかなんて分からない

だから

束の間の休憩に

ひたすらしがみつくしか

ないんだ

.