無償の優しさと愛を【JM】 (ページ41)

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A｢美味しい？｣

｢……うん｣

俯いてそう答えると

僕の隣に座った彼は

嬉しそうに笑った

A｢バイト先まで車で送ってくよ｣

｢僕のバイト先、知ってるの…｣

A｢うん｣

｢なんで｣

A｢前に一回見た｣

｢あんな深夜に……？｣

A｢男しかいない飲み会は
あの時間まで続くでしょ？｣

｢……確かに｣

でも、年齢層はおじさんばかり

みんな結婚して、

僕に言い寄る人とかもいないから

僕は安心してあそこで仕事が出来てる

だから

彼みたいな若い人は

見たことない

｢誰といったの｣

A｢親父｣

｢どんな人｣

A｢んー、ヤクザ？｣

｢……知らない｣

A｢多分一回しか行ってないからね笑｣

楽しそうに笑う彼は

くすくすと笑ってる

｢君も来たことあるって……｣

A｢うん、その時に見たから｣

｢僕、どんなだった｣

A｢必死に仕事してたよ
一生懸命で可愛かった｣

｢なにそれ……｣

A｢その時俺ら、少し喋ったんだよ｣

｢え？｣

A｢覚えてない？｣

｢……うん｣

A｢ふ、そっか笑｣

覚えてないのに

なんで嬉しそうなの

本当に変な人

それに、何その顔

その蕩けそうな顔

変な顔

僕と話したことある思い出話で

なんでそんな顔するの

なんかドキドキする

なんの顔なの

なんでドキドキするの

｢こっち見ないで｣

A｢え笑｣

そっぽを向いて

またコップに口をつけた

後ろからはクスクス笑う声がした

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