無償の優しさと愛を【JM】 (ページ38)

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彼の奥にあるベッドサイドテーブルに置いてあるスマホが振動してて

僕は何とかそれを掴んで

スマホを見た

〝수호〟

スホ……

彼がいつも一緒にいる人かな

｢ねぇ｣

A｢……｣

｢起きて｣

A｢すー……｣

｢………… A、くん｣

A｢ん、ん？｣

僕が名前を呼ぶと

何故か今まで起きなかった彼が起きる

｢スマホ｣

そう伝えると

目を細めて画面を見て

あぁ、と呟いた

A｢少しごめんね｣

また僕を胸に埋めた彼は

頭を撫でながらスマホの通話ボタンを押した

A｢ん……わり
今日学校行かねぇわ……

あぁ、少し

ノート頼む
了解、よろしく、ありがとな｣

それだけ言って電話を切る彼

その電話だけで

分かりあっているんだなって

容易に想像できた

｢……｣

なんで、モヤモヤする

｢……ん｣

それを消すように

彼の胸に額を擦り付けた

A｢まだ寝てていいよ
体痛いでしょ｣

｢寒い｣

A｢そう…？｣

返事をすると同時に回ってくる腕

寒いなんて、彼がいるのに寒いわけない

でも僕を見て欲しかった

なんて

僕は毒されちゃったのかな

砂漠の中で見つけたオアシスに

縋ってしまいそうで

いつか無くなるものに

縋るなんて

滑稽すぎて

そんな自分に

本当に弱いなと嫌になる

また明日からは

モノに戻るから

今日くらいは

人間でいさせてよ……

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