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A「今日はあの時隠した話をしようと思ってここに来た」
「え…」
A「あの日、お世話になったからさ」
「あぁ…」
A「辛い話になるかもしれないけど
ユンギくんには、聞いて欲しいんだ」
「そうですか……」
A「嫌？」
「いえ、ずっと聞きたかったので
是非聞かせてください」
A「そっか、ありがとう」
俺らは中に入ると
端のカウンターに隣同士で座った
A「俺の話をする前に
ユンギくんが俺に聞きたいことがあるなら
先に答えてあげたいから、なんでも聞いて」
カクテルを注文した後
Aさんがそう、口を開く
聞きづらい事もあったけど
このBARの雰囲気と
隣で落ち着いた表情で
雰囲気に身を任せるAさんを見て
変に安心感を覚えて
いつの間にか口を開いていた
「あの……えっと」
A「ん？」
「なんでいつも、最後まで抱かないのかな、
って……思って…」
A「あぁ……」
「抱いて欲しいとか、そんなんじゃなくて」
A「ふふ、分かってるよ」
「でも、その
ヒートにのまれて尚、自分を傷つけてまでラットを抑える精神力は、どこから来ているのかなって思ったんです」
A「なるほどね……
それは俺の過去の話に直結するね」
「そうなんですか？」
A「うん
俺が第二性なんてクソ喰らえって思った出来事があってね」
「αの人でも、あるんですね…」
A「それは関係ないよ」
「え？」
A「俺がαとかΩとか、関係ない
ただ、第二性に少なくともいい思いが無い人間の一人ってだけだよ」
俺……また、αの人はとか言って…
はぁ、嫌になる…
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作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月20日 0時
