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「あの……」
A「ん？」
「俺もAさんの事大切です」
A「っ」
「そう、会えないです
苦しみを分かり合える人は…」
A「そうだね…
そう考えてみるとやっぱり」
「？」
A「俺とユンギくんは
出会うべくして出会ったのかもね？」
「そっ、そうですかね…」
A「ふふ、お酒にのせられて変なこと言ったね、ごめん」
気分が良さそうに笑うAさん
さっきまで暗い話をしていたのに
その場には
優しくて暖かい空気が
ほんわかと流れていた
A「ちょっと、良いよ今日は俺が出す」
「え、それは申し訳ないです」
A「いいから
もう、俺の話聞いてくれたんだしさ
前のお礼でもあるから」
「……そうですか」
渋々出そうとした財布をしまう
あの後他愛も無い話をして
仕事の話をして
編集が上手く行けば
来週には完成すると言ってくれたAさん
広告代理店の人が編集もするんだなって思ってたら
それはまた少し違くて
プロの編集さんに頼むことが
普通らしいけど
Aさんはこだわりが強いから
自分で作った方が良いと
苦笑いしながら言っていた
編集さんと前話が合わなくて
結局自分で作ったことがあるらしい
Aさんでも人と喧嘩みたいなことするんだな
なんて思ったけど
Aさんも人間だもんな
苦手なことの一つや二つあるかと考えている自分に、ある意味驚いた
αはなんでも出来るべき
Ωが全てが劣ってる
そんな考えを
とことん潰してくれるなと
本人は釈然としないかもしれないけど
そう思って少し笑ってしまった
なんで笑ってるのって頬を抓られた時に気づいたけど
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作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月20日 0時
