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「俺にも、幼馴染がいて」
A「うん」
「第二性がΩだと分かった後も
変わらず人気者のヒョンで
凄く尊敬していたし、大好きでした
でも……」
俺は苦し紛れにも
何とか伝えようと
息をつまらせたり
黙って考えてしまったりしながら
ジハニヒョンに何が起こったのか
Aさんがジホさんの話を詳しく話してくれたように
俺も話した
ジハニヒョンに何が起こったか話している間
Aさんは、きゅっとお酒のグラスを握って
苦しそうに顔をゆがめて
この苦しみを分かってくれる人は
どれくらいいるのだろうか、と思った
Aさんはαなのに
Ωにしか分からないような苦しみを
分かってあげられる人なんだなと
そして身内が第二性のせいで
辛い目に遭った体験をした
同士みたいな
そんな感覚だった
自分がαとかΩとか関係なく
第二性のせいで
辛いを思いをした人間の一人なんだ
二人とも
A「今もその彼は、病院に？」
「はい……
月に一回、お見舞いをしているんですけど
ヒョンの両親は、もう辛くて会えないって言うから、俺が代わりに…」
A「そっか……
じゃあもしかして、あの時の傷って…」
「そうです……」
A「なるほどね…
それは、助けてあげたいね……」
深刻な顔でそう言ってくれるAさんに
ゆっくり頷くと同時に
何故か嬉しくなった
俺の話なのに
俺の内情なのに
俺と同じ気持ちで
それよりかもっと真剣に
そんな事を言ってくれるから
俺の荷が少しだけが軽くなった気がした
重荷を一緒に抱えてくれる人が
隣に出来た気分だった
でもそれは多分
Aさんも同じなのかな
なんて勝手に思ったけど……
自惚れるのは良くないし
俺は期待するのが怖いから
淡い期待は捨てよう
でも……
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作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月20日 0時
