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「でも、なんでここに？」
A「え？知らないの？
俺の会社、この通りの奥にあるの」
「え」
A「ユンギくんの会社の前も
いつも通って帰ってるよ」
「知りませんでした…」
A「帰ろっか」
そう言って前を歩き出すAさん
前とは変わって
もういつものAさんだ
頼もしくて、優しい
さっきだって
自分の番だって言った方が
もっと早く追っ払えた
なのに、強引にも
仕事仲間だと言っていた
俺が第二性の話をして欲しくなく
建前だとしても、番なんてこと
言われたくないと思ったんだろう
どこまでも優しい人だ
A「人にそんなに絡まれるなら
迎えに来ちゃおっかな」
「そんな事までしなくていいです」
A「ふふ、知ってる
でもあの時の借りは返せてないしね」
「ぁ…
そういえばそのはなっ、んっ…っ」
A「ん？」
「はぁっ、なんっでっ」
A「ユンギくん…ヒート？」
なんでだよ
まだ五日くらい後のはずだろ…っ
はぁ、だめだ
頭が…おかしくなる…
よりにもよって
なんでAさんがいる前で…っ
「ぁっ」
A「ユンギくんっ」
膝から崩れ落ちる俺を
支えて抱えるAさん
「Aさっ、ぁっ、ほしいっ」
A「もう…」
だめだ…
あの時みたいに
目の前のAさんだけが
それだけが、頭を支配する
A「取り敢えずここは目立つ…」
そう言ってAさんは
走って近くのホテルに入れてくれた
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作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月13日 0時
