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仕事が片付いて顔を上げると
既に時間は夜9時頃
ジミナが帰ってから
3時間程経っている
そんな仕事に没頭してた覚えは無いし
こんなに時間がかかったのは
Aさんの事が
何度かよぎったからか……？
「はぁ…」
取り敢えず帰ろうと
資料を片付けて
そのまま会社を出た
人通りの多い道を歩いて帰る
Aさんに言われてから
よく使うようにはしているが
やっぱり人のいない
裏道を通りたくなる
それは、ただ近道がしたいわけじゃなくて
人が苦手だから
和気藹々と、笑いあって
下の話で盛り上がるα
そんなαの機嫌を取ろうと
頷いてゴマをするΩもいる
そんな光景は、昼夜問わず
色んな場所で行われていて
だからこそ
俺は人混みも、喧騒も何もかも嫌いなんだ
だから
俺は音楽が、音楽機器が好きなんだ
俺が今回作った機器だって
ボイキャンに一番力を入れた
世間から自分を離脱させるために
溜息をつきながら
自分の試作品をまた耳に入れて
そのまま歩き出す
でも少し歩いていたあと
トントンと肩を叩かれて
振り向くとAirPodsを取られた
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作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月13日 0時
