〝運命〟ということ【YG】 (ページ35)

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その人は公園に入ると

ベンチに座って

ただ空を見続けている

A｢ふ、ごめん
俺はまだまだだな…｣

誰かに謝って、俯くAさん

いつもとは様子が違いすぎて

あの時のAさんの違和感は

勘違いじゃなかったんだなと気づく

それから俯いたまま動かなくなったAさんに

え？寝た？

と思いながら近づいていく

するとAさんが

横に倒れて行くから

慌てて受け止めて

俺の肩に頭を置く

ほんのりとAさんの香りが香って

ドキッとした

これどうすりゃいいんだ…？

そう思いながら

何もしないでここにいるのも変だから

会社の資料を開いて

仕事をしている風に装った

それから数十分して

ピクっとAさんの頭が動いた

A｢ん…ユンギくん…？｣

｢あ、はい…｣

なんで分かったんだ…

A｢なんでここに居るの…｣

｢た、たまたま通りかかって…
Aさんを見つけて…
倒れそうだったので……すみません｣

A｢そうだったんだ…
ごめんね、迷惑かけて｣

スーと息を吸って

俺の首に擦り寄るAさん

｢Aさんっ？｣

A｢ごめん…少しだけ…｣

はぁ、と息を吐いて

俺の手を握るAさん

何があったんだろう

でも、安心させることが

多少でも出来ているかもしれないから

少し嬉しさも感じつつ

体を委ねることにした

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